東日本大震災・原発事故

福島県葛尾村の復興拠点、12日午前8時に避難指示解除 政府が決定

2022/06/04 09:50

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 政府は3日、原子力災害対策本部と復興推進会議の合同会合を開き、東京電力福島第一原発事故の帰還困難区域のうち、福島県葛尾村の特定復興再生拠点区域(復興拠点)について12日午前8時に避難指示を解除すると決定した。岸田文雄首相は5日に村内を訪問して村民に解除の決定を直接、伝える意向を正式に表明。「引き続き、大熊町や双葉町などの避難指示解除に向けた手続きを進め、福島復興をさらに加速させる」と述べた。

 帰還困難区域で住民の居住を可能にする解除は初めて。今回解除されるのは葛尾村北東部に位置する野行地区の復興拠点95ヘクタール。除染やインフラ整備の先行実施、集会所の再整備などが進み、住民の意見を踏まえて5月に国、県、村が解除に合意していた。現段階で帰還意向を示しているのは4世帯8人という。

 会合で岸田首相は関係閣僚に対して他の復興拠点の避難指示解除に向けた除染やインフラなどの整備に向けて全力を尽くすよう指示した。復興拠点外については「昨年8月に決定した政府方針に基づき、帰還意向のある方が全員帰還できるよう丁寧な意向の確認などの取り組みを着実に進めてほしい」と述べた。

 残る復興拠点のうち、双葉町は早ければ6月中、大熊町は6月末から7月上旬ごろの解除を目指して住民説明会などを進める。富岡、浪江、飯舘の3町村は来年の避難指示解除を目標にしている。