作業複雑化 ミス誘発 福島県内参院選開票遅れ 体制、経験値に要因 専門家「日頃から訓練を」

2022/07/12 09:07

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開票作業を進める会津若松市職員=10日午後8時5分ごろ、鶴ケ城体育館
開票作業を進める会津若松市職員=10日午後8時5分ごろ、鶴ケ城体育館

 11日早朝まで行われた参院選の開票作業では、福島県の郡山市や会津若松市などでミスが相次ぎ、確定時刻が予定より大幅に遅れた。各選管委ともチェック体制の不備など人為的な問題を要因に挙げる。各選管委は再発防止につなげる考えだが、専門家は選挙事務の複雑化や職員の経験不足を指摘。「数年に1度の選挙に対応するには日頃から訓練を積むことが大切」と訴える。

 郡山市の福島県選挙区の開票作業は、予定より1時間20分遅い11日午前1時50分に終了した。この影響で、比例代表の開票も予定から30分遅れ、午前5時に終えた。市選管委によると、選挙区の開票の終盤で投票者数の合計と投票券の枚数が合わないことが判明。149ある投票所からの報告書を確認し、富久山投票所が投票者数を1人少なく報告していたことが分かった。投票所で残票を1枚多く数えたか、報告書への記載ミスかは不明という。

 市選管委は要因の一つとして、午後8時の投票終了から開票開始まで1時間半しかなく、精査する余裕がなかったことを挙げる。開票所では当初無効としていた票が立会人の判断で有効となり、無効としていた他の票にも有効票がないかを確認する作業にも時間を要した。市選管委は「現在の事務の流れが適正かを検証し、改善したい」としている。

 会津若松市でもトラブルが相次いだ。比例代表の開票作業中に、投票数と有効票との計算が合わなくなった。無効票となった1票の結果を反映させなかったのが原因で、確定時刻が当初の予定終了時刻より約2時間遅れの11日午前1時54分まで確定が遅れた。一部の期日前投票会場で、福島県選挙区と比例代表の投票箱位置の置き違いもあった。

 市選管委は「重大な結果につながりかねないミスだ。細やかな運用の部分で基本的な手続きを徹底したい」としている。ただ、市内の主婦は「有権者の1票は重い。ミスを受け止めてもらいたい」と注文を付けた。

 猪苗代町の比例代表の開票作業でも、政党別の得票総数の集計入力の誤りなどで、確定時刻が当初の予定から1時間以上遅れた。

 地方自治が専門の今井照地方自治総合研究所主任研究員(69)=元福島大行政政策学類教授=は選挙事務の複雑化や事前の準備不足を要因に挙げる。

 参院選では比例代表に候補者名か政党名を記入するなど事務が煩雑であることに加え、インターネットや交流サイト(SNS)の普及で「すぐに結果を知りたい」と希望する人が増え、開票作業の一層の迅速化が求められるようになった。

 職員の業務多忙も相まり、自治体側の準備が追い付いていないと推察する。「複数のチェック体制や入念な準備で単純なミスは防げる。日頃の訓練が大切」と強調した。