小中校の統廃合加速 福島県内の今年度学校数595校 過去5年で74校減少

2022/08/01 10:30

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 2022(令和4)年度の福島県内市町村立小中学校は595校で、5年前の2017(平成29)年度の669校と比べ74校が減少したことが県教委のまとめで分かった。2012年度から2017年度までの5年間では54校が減っており、減少幅は約1・4倍と統廃合が加速している。専門家は教育面だけでなく、地域の交流拠点としての機能など学校が地域で果たすべき役割は重要度がさらに増していると強調。地域が一体となった学校づくりの必要性を指摘している。


 学校数と児童生徒数の推移は【グラフ】の通り。2022(令和4)年度の学校数は小学校が392校、中学校が203校の計595校。2017年度と比較すると、小学校は57校、中学校は17校減った。県教委の統計資料によると、1969(昭和44)年度の約1070校と比べて2022年度は6割ほどになった。

 今年5月1日現在で県内の小中学校に在籍するのは児童が8万3481人、生徒が4万3514人。2012年度以降は毎年1600人~6200人ほど減少している。

 少子化の歯止めはかかっていないのが実情で、県教委の担当者は児童生徒の減少の影響で今後も学校の統廃合は続くと予想している。


■一長一短、模索続く 「教育内容充実」 「長距離の登下校」

 県内では多くの市町村が小中学校の統廃合について検討を続けているのが現状だ。小規模校ではより良い教育を目指して模索が続く。

 福島市教委は、複式学級や在籍者ゼロの学年があり、今後も解消が難しいと判断した小中学校10校について、2018年度から2027年度までの10年間で統廃合を検討する計画を策定。既に5校を統廃合した。

 福島市の計画で統廃合の対象となっているものの、現在は廃校に至っていない立子山小は2学年で1つの複式学級を作り、運営されている。

 グループで考えて発表する授業や、体育のドッジボールなどチームで行う競技はできない。車で10分ほど離れた市内の南向台小と合同の授業に取り組んでいる。

 県教委によると、統合した学校は班活動や学校行事などの面で教育内容が充実する。ただ、課題は残る。

 今春に白河市の3つの小学校が統合して開校した大信小では、複式学級が解消され、全学年1学級となった。児童数が増えたことで授業の幅が広がった一方、一部の児童はスクールバスで片道30分ほどかけて登下校することになったという。使わなくなった校舎や体育館の利活用など2次的な問題も生じた。

 学校運営に詳しい大橋淳子福島大人間発達文化学類特任教授は「学校は地域の宝で、コミュニティー拠点」と強調する。「学校と家庭、地域がともに学校の在り方を考え、地域人材を生かした授業や大学と連携した教育の実現を目指すべきだ」と訴える。

 一方で学校がなくなった地域について「今後の地域コミュニティーや防災機能の在り方を十分な時間をかけて考える重要な機会でもある」と指摘する。