論説

【大雨災害】復旧と合わせ警戒を(8月5日)

2022/08/05 09:05

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 前線や低気圧の影響による記録的な大雨は、会津地方や県北地方で土砂崩れなどを引き起こし、JR磐越西線の橋りょうが崩落するなど甚大な被害をもたらした。四日は中通りや浜通りが最大震度4の地震に見舞われた。川の水かさが増し、地盤が緩んだままの地域は多い。早期復旧と合わせ、雨は収まっても、氾濫や土砂災害などの危険が予想される場所には近づかないなど警戒を続ける必要がある。

 崩落したJR磐越西線喜多方-山都駅間の濁川橋りょうについて、JR東日本は復旧に向けた調査を急いでいる。喜多方-野沢駅(西会津町)間は当面、運転を見合わせるとしている。地元にとっては、通学や通勤に欠かせない役割を担っている。復旧に全力で取り組むとともに、運転再開までの代替手段の確保も求められる。

 土砂崩れなどで道路が寸断され、孤立した集落も出た。県は市町村と連携して被害の全容把握を進め、復旧や被害者の生活再建に当たってほしい。東北、北陸でも川の氾濫や土砂災害、家屋の浸水などが確認されている。国による迅速な支援も不可欠だ。

 会津若松、喜多方、猪苗代、北塩原の四市町村は大雨や洪水警報を受けて三日夜以降、計六千四十八人に避難指示や高齢者らへの避難の呼びかけを段階的に行った。避難所は十一市町村に開設され、百二十一人が実際に避難した。深夜になってから急激に雨脚が強くなったことで不安になり、避難所に入った住民もいる。気象に関する情報や自治体の避難情報などを小まめに確認することも大切だ。

 近年、豪雨被害をもたらす要因に線状降水帯が挙げられる。今回も山形県や新潟県などで確認されたが、県内では発生しなかった。気象庁は六月から半日前予報を発表している。災害の恐れがある大雨警報に先駆けて、約十二時間から六時間前に知らせることで、早期の避難や安全確保を促す狙いがある。的中率は四回に一回程度で、今回は予報は発表されなかったものの大きな被害が出た。予報がなくても油断は禁物だ。

 今回の豪雨災害に二〇一一(平成二十三)年七月の新潟・福島豪雨や、二〇一九年十月の台風19号の記憶がよみがえった人も多いだろう。数十年、百年に一度といった災害が相次いでいる。想定外の事態も起きている。崩落した濁川橋りょうは、一九〇四(明治三十七)年に完成した鋼製で、橋脚部は切石積みだった。橋や道路など生活を支えるインフラの再点検にも努めてほしい。(安島剛彦)