生活、観光に打撃 開通30年、爪痕深く 喜多方と米沢結ぶ121号国道大峠不通 記録的大雨から1週間

2022/08/10 10:00

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記録的大雨で道路の一部が崩れ、不通となっている大峠道路=9日午後、山形県米沢市
記録的大雨で道路の一部が崩れ、不通となっている大峠道路=9日午後、山形県米沢市

 県内を襲った記録的大雨から10日で1週間となる。喜多方市と山形県米沢市を結ぶ121号国道(大峠道路)は道路の一部が川の増水のため崩れ、通行止めが続いている。両市の住民にとって通学や買い物に使う生活道路だけに影響は大きい。夏の観光シーズンを迎え、誘客にも支障が出ている。普段は流れの穏やかな川が残した爪痕に、自然災害の恐ろしさを改めて感じた。(本社報道部・小山 大介、服部 真子)


 大峠道路は全長25・2キロ。冬季に一部通行止めとなる旧道のバイパスとして1992(平成4)年に整備され、九日で開通から30年となった。県によると、1日当たりの交通量は約2900台で、生活に欠かせない路線となっている。

 大雨で米沢市内の2カ所でのり面が崩落し、道路の一部が崩れた。山形県によると、被災箇所を調査しており、復旧の時期は未定。

 福島、山形両県によると、通行止め区間は喜多方市熱塩加納町から米沢市入田沢までの16・5キロ。喜多方市と米沢市間は通常、車で40分程度だが、高速道路を使い、福島市を経由すると約2時間かかるという。

 喜多方、米沢の両市は道路を通じて交流を深めてきた。会津喜多方商工会議所中小企業相談所長の木城一禎さん(46)は「不通による経済的な影響は大きい」と話す。商工会議所は関係団体と連携し、早期復旧を国や県などに求める活動を行う予定だ。

 米沢市の米沢中央高三年の佐藤涼真さん(17)は喜多方市の自宅から保護者の車で通学していた。道路復旧まで福島市を経由して通うことになる。「片道1時間の通学時間が倍になる」と話す。

 観光への影響も大きい。喜多方市の道の駅喜多の郷の利用客は例年の8割減。駅長の渡部正男さん(51)は「8月は最も入り込みが期待できるが、コロナ禍に加え、道路の不通で閑古鳥が鳴いている」とため息をつく。

 米沢市側も打撃を受けている。中心部から西に約15キロの位置にある道の駅田沢は、お盆にかけて観光客や帰省者でにぎわうが、通行止めの影響で客が減っている。名物の手打ちそばを提供しているが、利用者が少ないため一時的に中止している。道路は7月に山形県側でののり面崩落による通行止めが解除されたばかり。従業員の渡部徹さん(38)は「またか、という思い。1日でも早く復旧してほしい」と訴えた。