増子陽太(鏡石)大会新V 全中陸上男子3000 地元開催で躍動

2022/08/20 10:22

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【陸上男子3000㍍決勝】8分18秒49の大会新記録で優勝した増子選手=あづま陸上競技場
【陸上男子3000㍍決勝】8分18秒49の大会新記録で優勝した増子選手=あづま陸上競技場
陸上男子3000㍍決勝で8分18秒49の大会新記録で優勝し、笑顔でメダルと賞状を掲げる増子選手
陸上男子3000㍍決勝で8分18秒49の大会新記録で優勝し、笑顔でメダルと賞状を掲げる増子選手

 全国中学校体育大会陸上競技(第49回全日本中学校陸上競技選手権大会)の第2日は19日、福島県福島市のとうほう・みんなのスタジアム(あづま陸上競技場)で開かれ、男子3000メートル決勝の増子陽太選手(15)=鏡石中3年=が8分18秒49の大会新記録で優勝した。

 増子選手はスタート直後から先頭に立ち、集団を引っ張った。残り100メートル付近で後続を引き離し、1位でフィニッシュした。

 同種目で県勢が優勝するのは2018(平成30)年の藤宮歩選手(当時大槻中3年)以来、4年ぶり3人目。全種目を通じては、昨年の男子四種競技を制した高橋駿士選手(当時若松一中3年)に続く快挙。

 増子選手は小学2年生で地元の「かがみいしスポーツクラブ」に入り、陸上競技を始めた。中学入学後は陸上部を中心に練習を積んだ。昨年11月の市町村対抗県縦断駅伝競走大会(ふくしま駅伝)で3区を走り、町の部区間賞を獲得。都道府県対抗駅伝競走大会のメンバーに選ばれた。

 10日に青森市で開かれた東北中学校陸上大会の共通男子3000メートルで、日本中学新記録となる8分15秒04を樹立し、優勝した。


■全中陸上男子3000優勝 増子陽太選手 鏡石3年 実力誇示「最高のレース」 偉大な先輩の背中追う

 「最高のレースだった」。福島市のとうほう・みんなのスタジアム(あづま陸上競技場)で開かれた全国中学校体育大会陸上競技(第49回全日本中学校陸上競技選手権大会)の男子3000メートル決勝で、8分18秒49の大会新記録で優勝した増子陽太選手(15)=鏡石3年=は、地元の応援を力に変え、頂点に立った。「多くのトップ選手が制した大会で優勝できてうれしい」と無邪気な笑顔を見せた。


 スタート前に増子選手の名前が呼ばれると、スタンドからひときわ大きな拍手がわき起こった。増子選手はすぐに先頭に立ち、積極的にレースを引っ張った。大会記録を上回るハイペースで、後続の選手を集団から次々に引き離す。ライバルの菅野元太選手(山形・山形十)や新妻遼己選手(兵庫・平岡)らと激しい競り合いを繰り広げた末、最後の直線でスパートをかけて振り切り、両手を高く突き上げてフィニッシュした。

 鏡石中陸上部では、それぞれの選手の課題や調子に合わせたメニューを組み立てている。増子選手は身長174㌢、体重51㌔。ラストスパートに磨きをかけるため、スプリント能力の向上に力を入れてきたという。普段の練習から本番を想定し、残り千メートルでペースを上げる意識を持って走り込んだ成果が大一番で発揮された。レース前に斎藤剛監督から受けた「競り合いは勝ち切れ」「ゴールまで気を抜くな」という助言を胸に、最後まで走り抜けた。

 昨年夏には、中学校での部活動に加えて週一回参加している「かがみいしスポーツクラブ」で、2013(平成25)年に同種目を制し、世界で活躍する遠藤日向選手(住友電工、学法石川高出身)や、田母神一喜選手(ⅢF、同)から指導を受ける機会があった。トップクラスの選手の走りの技術だけでなく、私生活の過ごし方など競技以外も含めたアスリートとしての心構えを学んだ。増子は「先輩たちの背中に少しは近づけた」と笑みを浮かべた。

 進学先は未定だが、競技は続けるつもりだ。将来は箱根駅伝に出場し、区間賞を獲得することが目標だ。「競技に強いだけでなく、人として立派になりたい」と偉大な背中を追う決意を示した。


■防災無線で快挙伝える鏡石町

 増子選手の優勝を受け、関係者は今後のさらなる活躍に期待の声が上がった。

 福島陸協の鈴木浩一会長は「一生懸命に練習を積んできたことが結果に表れた。これからの福島県の陸上界をけん引してほしい」と声を弾ませた。

 増子選手が鏡石一小2年時から所属する、かがみいしスポーツクラブの佐藤靖弘理事長は「記録も順位も手に入れたが、今が頂点ではない。伸びしろがあり将来が楽しみ」と目を細めた。

 鏡石町では防災無線で増子選手の優勝が町民に伝えられた。木賊正男町長は「日本中学記録を持ち、重圧がかかる中での優勝は大変素晴らしい。町民の誇りであり、ますますの活躍を期待している」とコメントした。


■全国高校総体空手男子組手 大竹良介(尚志)制す

 全国高校総体(インターハイ)の空手競技は19日、愛媛県四国中央市の伊予三島運動公園体育館で行われ、男子組手個人で大竹良介選手(17)=尚志高3年=が優勝した。

 大竹選手は郡山市出身。昨年に続いてインターハイに臨んだ。得意技の刻み突きなどがさえ、1回戦から7試合を勝ち抜いた。

 インターハイ空手競技の男子で、県勢の優勝は個人、団体を含め初めて。