あすはきっと(9月18日)

2022/09/18 09:48

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 絵本「あすは きっと」は赤い服を着た男の子が主人公。夜になって暗くなった外を、窓からそっとのぞく場面で始まる。ベッドに入り、あすはどんな一日になるかを思い描く▼積み木で遊ぶ、なくなったおもちゃが見つかる、新しい友達ができる…。楽しい出来事が浮かぶ。友達とけんかしたり、頭にたんこぶをつくったり、面白くないことも想像し始め、心配になる。絵本は最後に優しく語りかける。〈あすは、なにからなにまで、ずっと きょうより よくなるよ〉▼作者のドリス・シュワーリンさんが2歳の孫ベンジャミンちゃんのために編んだ。幼いころは、ささいなことに笑ったり、泣いたり、あすを心待ちにしたり、不安がったりする。そんな子どもたちに、まだ見ぬ未来への希望を持ってほしいとの思いが伝わる▼暗闇を見つめ、あすを待てない子どもは今、世界に、日本に、県内にどれほどいるだろう。かの国では戦火におびえ、県内ではいじめや虐待に息をひそめる子どもがいると思うと、いたたまれない。あすではない、「きょうはきっと」の声なき願いに、どう応えていくのか。大人は、あすをきょうに置き換え、絵本と向き合いたい。