福島県産品輸出13億7500万円 初の10億円超 日本酒が欧米で伸長 2021年度

2022/09/23 10:02

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 新型コロナ禍や燃料費高騰で輸送コストが上昇する中、2021(令和3)年度の福島県産品輸出額は過去最高だった前年度に比べ52%増の13億7500万円となり、初めて10億円を突破した。県産日本酒の知名度が米国を中心に高まり、アルコール類の輸出が大幅に伸びたのが主な要因。県産品が各国で普及することで、東京電力福島第1原発事故に伴う風評の払拭につながると期待される。県は今後も輸出拡大を促していく方針だ。

 22日の9月定例県議会代表質問で、市村尊広観光交流局長が自民党の小林昭一議員(河沼郡)の質問に答えた。輸出額の推移は【グラフ】の通り。統計を取り始めた2012(平成24)年度以降、9年連続で増加し、2021年度は2012年度の14倍となった。

 品目別の推移は【表】の通り。アルコール類が7億7300万円(前年度比77%増)、農畜産物が3億3200万円(同46%増)、工芸品が1億6900万円(同6%増)、加工食品が1億円(同23%増)となり、4つの品目全てで過去最高を更新した。

 アルコール類の最大の輸出先は米国(3億4300万円・前年度比111%増)で、次いでフランス(1億1600万円・同113%増)。飲食店や小売店での日本酒の取り扱い拡大や、コロナ禍を背景に滞っていた物流の回復が増加の背景にあると県は分析している。

 農畜産物は中国への花卉(かき)の輸出が好調で、シンガポールや香港向けのコメも伸びた。工芸品は米国への絹織物、加工食品はカナダ向けの水産加工品が増えた。

 県は2022年度の県産品輸出について、東南アジアへのモモの輸出が好調だとしている。昨年秋に輸入規制が撤廃された米国へのコメの輸出拡大が見込まれる。円安の状況が輸出に有利に働くとみる向きもある。

 一方、原発事故発生から11年半が過ぎた今もなお、12の国・地域が県産食品の輸入規制を続けている。県は2030年度までに年間輸出額を20億円まで伸ばす目標を掲げており、規制の撤廃に向けた国や県の対応が問われる。

 県の担当者は輸出実績が伸びることで風評払拭につながっている側面があるとし、「県産品の安全性や品質の高さを広く発信し、さらなる輸出拡大を目指す」としている。