郡長正が紡いだ絆、より強く 福島県会津若松市と福岡県みやこ町「盟約」締結

2022/09/23 10:27

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盟約の締結に立ち会う(右から)清川雅史市議会議長、室井市長、内田町長、田中勝馬町議会議長
盟約の締結に立ち会う(右から)清川雅史市議会議長、室井市長、内田町長、田中勝馬町議会議長

 会津武士の精神が紡いだ会津と福岡の絆がさらに強まった。旧会津藩家老の次男・郡長正(こおり・ながまさ)自刃の地である福岡県みやこ町と福島県会津若松市は22日、「郡長正ゆかりの地交流都市宣言」の盟約を締結した。武士の誇りを守り、16歳で非業の死を遂げた郡の志を両地域の若い世代に伝える。

 誇り高き魂を思慕する想いは変わらない―。宣言では、郡の遺勲を共有の歴史的遺産として後世につなぎ、末永い交流発展を誓い合った。既に両市町の公立図書館で互いの地域を紹介する冊子、書籍を置いて理解を深める事業に乗り出した。新型コロナウイルスの感染状況をみながら、両市町の子どもが交流する機会を広げていきたい考えだ。

 市内で盟約締結に臨んだ室井照平市長は「先人の誇りを再認識し、相互交流を促進したい」と言葉に力を込めた。みやこ町の内田直志町長は会津に根付く子弟教育の価値観を九州地方の青少年育成に生かす考えを示し、「郡が今に残したメッセージを次の世代に伝えたい」と応えた。両首長らは同日、郡の眠る市内の天寧寺を訪れて墓前に報告した。

 盟約のきっかけは2020(令和2)年に迎えた郡の150回忌だ。新型コロナの影響で2年間にわたり、節目の記念交流事業を延期していたが、今年5月1日の命日には室井市長らが町内を訪問。内田町長から盟約締結の申し入れを受けた。

 旧会津藩家老・萱野権兵衛の子として生まれた郡長正は戊辰戦争後、藩の再興を懸け福岡県にあった豊津藩校育徳館に留学。武士の誇りを示すために自刃し、生涯を閉じた。藩校の流れをくむ福岡県立育徳館高では、郡の生き様が今なお語り継がれている。

 郡や萱野らを毎年顕彰している会津士魂会の五十嵐光雄会長(90)=会津若松市=は「顕彰活動の後押しになる。住民間の交流もさらに広まってほしい」と期待した。