
▽準決勝 聖光学院12-2平工(6回コールド)
聖光学院は打線がつながり平工に大勝した。聖光学院は一回、1死二、三塁から松尾の右犠飛で先制すると、杉山、緑川、安斎の適時打で4点を挙げた。二回にも集中打で5点を追加した。平工は二回に2点を返したが、投手陣が崩れた。
■杉山3投手好リード 攻撃面でもチームけん引
聖光学院の捕手杉山由朗はタイプの違う3投手を好リードし、相手の強力打線を2点に抑えた。「投手の良さを引き出すことができた」と振り返った。
「投手が投げやすい配球」を心がけた。先発の安斎叶悟、2番手の小室朱生は変化球をストライクゾーンに要求し、テンポ良く打たせて取った。公式戦初登板となった三好元気は投球練習の球を受け、調子を判断。「球の走りがいい」と直球主体で勝負した。
前チームで扇の要だった山浅龍之介から捕手としての技術を教わった。相手打者の分析の仕方や投手の調子の見極め方などを学んだという。チームメートからの信頼を集めるが「先輩に比べてまだまだ未熟」とさらなる成長を誓う。
攻撃面でもチームをけん引した。一回に右越え二塁打、二回には右前打で打点を挙げた。好機で結果を残し、「自分のスイングができている」。東北大会への出場権を獲得し、「より強い相手との戦いになる。攻守ともに粘り強いプレーをしたい」と表情を引き締めた。
■平工の先発萩原2回途中で降板 「相手の力が上だった」
平工の先発萩原虎亜(こあ)は二回途中6失点で降板し「相手の力が上だった」とうなだれた。
新チームが始動してから、本格的に投手としての練習を始めた。大会までの時間が限られる中、自主練習で技術を磨いた。スライダーとシンカーによる横の揺さぶりと、80キロ台の緩いカーブを武器に聖光打線に挑んだ。丁寧にコースを突いたが、際どいボールをファウルで逃げられ、甘い球を確実にはじき返された。「球威、制球ともにもっとレベルアップが必要だと痛感した」と反省した。
打者としては、「投手として駄目だった分、何とか点を取りたかった」と二回に左中間を破る適時二塁打を放った。東北大会出場を懸け、3位決定戦を戦う。「粘り強い戦いで絶対に勝つ」と気持ちを切り替えた。