論説

【1.5℃の約束】温暖化防止へ今動こう(9月29日)

2022/09/29 09:23

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 全国の新聞社、テレビ局が展開する気候変動対策キャンペーン「1・5℃の約束~いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」が目標達成に向けて活動を強化している。失った地球環境を取り戻すのは容易ではない。一人一人が意識を高めて行動に移す必要がある。

 昨年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1・5度に抑える目標が打ち出された。達成すれば多くの気候変動の影響を回避できると見込む。しかし、既に1・1度も高まり、世界気象機関(WMO)は、2026年までに約50%の確率で1・5度を上回ると警鐘を鳴らす。

 気温の上昇は、人間の活動による二酸化炭素など温室効果ガスの排出に起因するとの分析結果がある。どう排出量を減らせばいいのか。国連広報センターは「個人でできる10の行動」として、「家庭で節電する」「徒歩や自転車で移動する」「野菜をもっと多く食べる」「長距離の移動手段を考える」「廃棄食品を減らす」などを例示する。日々の暮らしを変えることが、気候変動の抑制につながる。

 福島民報社が24、25の両日、郡山市で開いた「ふくしまSDGs博」は地球温暖化対策を柱の一つに据えた。有識者の講演や学校・企業・団体の展示発表などを通して、子どもから大人まで幅広い世代の来場者が気候変動の現状と対策を考えた。

 中高生の活動が印象に残る。只見中は「ペットボトル飲料を月曜日に利用しない運動」に取り組む。ごみの減量化や輸送に費やすエネルギーの削減によって、二酸化炭素の排出を減らす効果がある。週に1日だけなら、不便をそれほど感じず続けられるだろう。生徒は全国に活動の輪を広げようと訴える。ちょっとした行動の連鎖が大きな効果を生み出す好例と言える。

 近年の気候災害の激甚化、頻発化を目の当たりにすると、地球温暖化による異変が現実に起こりつつあると感じざるを得ない。将来世代には切実な問題であり、今を生きる世代は持続可能な地球環境をしっかりと引き継ぐ責任がある。

 SDGs博は「一人一人の小さな行動が積み重なれば、福島や世界を変える大きな力になる」との未来宣言を発した。中高生が思いを込めて言葉を紡いだ。地球温暖化対策に魔法のつえはない。便利で豊かな生活を維持するために未来を犠牲にするわけにはいかない。価値観も見つめ直したい。(角田 守良)