市町村対抗県軟式野球

ニュース チーム紹介 (2023年9月8日更新) 組み合わせ

いわき市投打かみ合う 会津若松市 逸機響く 市町村対抗福島県軟式野球大会 決勝

2022/10/03 10:10

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【いわき市―会津若松市】3回を2安打7奪三振の力投を見せたいわき市先発本馬
【いわき市―会津若松市】3回を2安打7奪三振の力投を見せたいわき市先発本馬
【いわき市―会津若松市】1回表に得点を許し、マウンドで捕手三国と話す会津若松市先発の鈴木(右)
【いわき市―会津若松市】1回表に得点を許し、マウンドで捕手三国と話す会津若松市先発の鈴木(右)

▽決勝 いわき市9-0会津若松市

 いわき市が会津若松市に零封勝ちした。いわき市は一回2死満塁から、高木の右前打で2点を奪うなど、打者一巡の猛攻で5点を挙げた。七回には渡辺の三塁打などで3点を追加し、引き離した。会津若松市は好機にあと一本が出なかった。


■流れ引き寄せる好投 いわきの先発本馬「思い切り腕振れた」

 いわき市の先発本馬亮平は3回を投げ、被安打2、7奪三振、無失点の快投でチームに流れを引き寄せた。「立ち上がりから思い切り腕を振れた」と納得の表情を見せた。

 力まないように意識し、得意のスライダーを中心に低めに球を集めた。一回は3者連続三振を奪った。三回1死一、二塁の窮地に、2者連続で三振を奪って笑顔で仲間の待つベンチに戻った。

 これまでは序盤に四球を多く出す試合が多く、立ち上がりの不安定さが課題だった。それを克服するため、昨年11月ごろからスクワットなどで下半身を鍛えた。体全体の力をボールに乗せる練習を重ねた。「成果が出て、ほっとした」と笑顔を見せた。

 2回戦で五回参考ながら完全試合、3回戦で無安打無得点を達成するなど好投が続いた今大会。「制球が良くなかった」と謙虚に振り返るが、「課題を修正し、来年も同じ結果を残してみせる」と2連覇を力強く宣言した。


■準優勝の会津若松市 粘りの継投及ばず 「悪い部分出た」 鈴木7四死球5失点

 会津若松市は悲願の初優勝を逃した。5投手の継投で粘ったが、いわき市の強力打線に屈した。先発の主戦鈴木拓人は「悪い部分が出てしまい、100%の投球ができなかった」と唇をかんだ。

 鈴木は今年からチームに加わった。8年ぶりの決勝進出に貢献したが、決勝で3回を投げ、7四死球を与えるなど5点を失った。打たせて取る投球を心がけていたが、ファウルで粘る相手打者を意識し過ぎてしまい、抑えきれなかったという。

 チーム創設時からの唯一のメンバーで、長年にわたりチームをけん引してきた渡部修監督は「この15年間で最高のチームだった」と選手をたたえた。七回には選手に背中を押され、監督自らマウンドへ。「失点はしたが、決勝の舞台で投げる夢がかなった」とはにかんだ。

 鈴木は来年に向けて闘志を燃やす。「粘りの投球ができるよう練習を重ね、次こそは優勝を目指す」と力を込めた。


■全員野球貫く いわき市 塚本泰英監督

 「選手が奮闘してくれたおかげ」とたたえた。いわき市チームの監督を務めるのは今回で4度目。過去2度の優勝の際にも指揮を執った。監督に就任してから信念として持ち続けている全員野球を貫き、3度目の栄冠をつかんだ。

 試合になるべく多くのメンバーを出場させている。控え選手がどんな場面で出ても良いように意識し、準備を促している。その結果、今大会にはけが人以外の選手全員が出場を果たした。それぞれが自分の役割を理解し、攻守で力を発揮できるよう采配を振るう。

 野球には人を魅了する力があると考える。選手の活躍がいわき市民をはじめ、各市町村の活力につながると願う。「今後開かれる市町村対抗県ソフトボール大会や市町村対抗県縦断駅伝競走大会(ふくしま駅伝)に向けて、今大会の優勝が地域にとって良い刺激になってほしい」と期待を込めた。相双リテック監督。57歳。