
福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館の研究体験プログラム「福島学カレッジ」は15日、開講した。中高生が震災や原子力災害についてテーマを決め、来年2月まで研究を通じて学びを深める。地域の課題や本県の復興を考える機会を創り、将来の福島を担う人材育成につなげる。初日は町産業交流センターで開講式やワークショップを催した。
県内外の中高生13人が受講し、開沼博東京大大学院准教授(いわき市出身)ら伝承館上級研究員が講師を務める。初回のワークショップでは、開沼准教授が研究テーマの決め方や研究の方法、今後の流れなどを説明した。「福島について知っている事実を増やしてほしい。何に対しても『問い』を持つ姿勢や感覚が大切」などとアドバイスした。
伝承館の館内も見学した。避難生活の状況をまとめた映像などを見て回り、復興の現状に理解を深めた。
来年2月まで全5回(各回1泊2日)の日程で実施する。それぞれのテーマに応じて、伝承館の見学や研究員らの講義、帰還困難区域などへのフィールドワークを行い、最後に研究成果を発表する。