障害抱える女性後押し 女性専用の就労継続支援事業所開所は福島県内初 伊達市

2022/11/18 09:44

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開所に向け準備を進める佐久間さん
開所に向け準備を進める佐久間さん

 知的障害や発達障害、精神疾患を抱える女性特有の悩みをケアし、女性の視点を生かした仕事を提供する就労継続支援事業所が来年2月、福島県伊達市に開所する。利用者とスタッフは全員女性で、女性専用の就労継続支援事業所の開所は県内初となる。事業所を運営するNPO法人かおり福祉会代表理事の佐久間香里さん(39)=福島市=は「やりがいを感じ、安心して働ける場所を作る。所得の向上にもつなげたい」と展望を描く。

 伊達市にあるガス会社の建物で、佐久間さんは備品の設置などの準備を進めている。建物の一部を借り、県の補助金を受けて加工場や事務所の内装工事中だ。

 佐久間さんによると、障害者の年収は健常者の半分程度で、女性の障害者は男性の健常者の4分の1になる。育児や出産を理由に採用を敬遠されたり、体力のいる仕事に就けなかったりするケースがあるという。ハラスメント行為に悩む女性もいる。女性が安心できる環境で働き、安定した生活を送るのを支援するため、事業所の開所を決めた。

 スタッフは6人の予定。家庭や仕事の相談、生理の際の体調不良に配慮できるような環境を整える。障害や精神疾患を持ち、それを克服したピアカウンセラーを職員として雇用する。同じ悩みを経験した女性が利用者に寄り添う。

 利用者の作業内容は、人手不足が深刻化している農業と福祉を組み合わせ、農産物加工とする。地域の農家からアンズジャムやエゴマ煎餅の加工を請け負う。道の駅やスーパー、事業所での販売を予定している。安定して事業所を運営できるよう、6次化商品の開発にも乗り出す。スイーツを想定しており、流行に敏感な女性の視点で開発に参加してもらう。グルテンフリーのお菓子作りや、小物の製作にも取り組む。

 佐久間さんは埼玉県出身で、大学卒業後に福島テレビのアナウンサーになった。退職後、関東でフリーアナウンサーとして働きながら、興味があった福祉を学ぶために大学院に進学した。実習や仕事で女性障害者と触れ合った。

 彼女たちの「普通の生活を送りたい」という願いと現実のギャップを目の当たりにした。2019年に福島市に移住し、支援活動に取り組んでいる。佐久間さんは「より多くの女性が集まれるようカフェやグループホームも整備したい」と優しい笑みを浮かべた。