ごみ拾い(12月1日)

2022/12/01 09:00

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 「天上の楽園」と呼ばれる尾瀬で国内最初のごみ持ち帰り運動が始まり今年で50年。約1400のごみ箱を全て撤去し、入山者にルールを守るよう呼びかけた▼運動はハイカーの環境保全意識の高まりを生み、希少な湿原に美しい景色を取り戻すきっかけになった。津々浦々に浸透し、今は登山やキャンプにとどまらず、観光地や公共施設でも持ち帰りが当たり前の風景になりつつある▼こちらは、サッカーワールドカップフランス大会で注目されて24年。日本人サポーターが続けるスタンドのごみ拾いは世界に波及しつつあるようだ。カタール大会の関係者から代表で表彰された福島大生は「掃除の輪が広がってほしい」と語った。その声に応えるように他国のサポーターも取り組み始めた▼日本代表のロッカールームはきれいに整頓され、ごみ一つないと称賛されてきた。今回も同じだが、主将の吉田麻也選手は大会前に誓っている。「グッドルーザー(良き敗者)よりウイナー(勝者)になる」。運命のスペイン戦があす未明にある。退路を断ったサムライブルーを力の限り応援しよう。持ち帰るのは8強以上をなし遂げた笑顔であるよう願いを込めて。