世界的建築家の隈研吾氏が設計へ 福島県玉川村の複合型水辺施設

2022/12/21 09:25

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玉川村の複合型水辺施設の完成イメージ図
玉川村の複合型水辺施設の完成イメージ図

 福島県玉川村が阿武隈川河畔にある旧飲食店の建物を利用して整備を進めている複合型水辺施設(仮称)で、世界的建築家の隈研吾氏が設計を手掛ける。改修する建物は隈氏がかつて設計したもので、レストランやカヌー体験などの機能を持つ観光拠点として2024(令和6)年度のオープンを目指す。村は20日までにプロポーザル方式で事業者を選定し、公表した。

 建物は鉄筋コンクリート造一部木造2階建て。隈氏のトレードマークとされる複数の細長い板を平行に組む「ルーバー」が多用されている。1996(平成8)年にそば屋としてオープンしたが、2011年の東日本大震災の影響で建物や駐車場が被害を受けて閉店した。村が有効活用を検討し、土地と建物を取得した。

 隈氏は昨年8月、建物を視察し、「自分の活動の基盤となった建物。この延長線上に国立競技場がある」と語った。自身のスタイルを構築する契機となった思い入れの強い作品という。

 施設のコンセプトは水の駅「RIVER BASE」。カヌーなどのアクティビティ体験や、地元産食材を味わえるステーキハウスやカフェ、地域資源を活用したクラフトビール工房などを導入する。

 村が民間から資金調達し、民間事業者に施設の設計や建設、運営などを委託する「DBFO方式」を採用する。三柏工業、隈研吾建築都市設計事務所、あぶくまビール、トーカンオリエンス、三菱HCキャピタルによる共同事業体が受託する。

 村は来年1月中旬以降、共同事業体と基本協定を締結する。6月の村議会の承認を受けて、正式に決定する。