高校ラグビー

福島県代表の勿来工 初戦敗退 目黒学院(東京)に0―83 全国高校ラグビー

2022/12/29 14:00

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【勿来工―目黒学院】点差の開いた後半、最後まで諦めずにトライを目指す勿来工フィフティーン
【勿来工―目黒学院】点差の開いた後半、最後まで諦めずにトライを目指す勿来工フィフティーン
スタンドから声援を送る応援団
スタンドから声援を送る応援団

 第102回全国高校ラグビー大会第2日は28日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で1回戦11試合を行った。福島県代表で25年ぶり6度目の出場の勿来工は目黒学院(東京)と対戦し、0-83で敗れた。

 勿来工は序盤、強敵相手に互角の戦いを見せたが、前半8分に先制トライを許すと、その後は目黒学院の猛攻を食い止めることができず、同校として1986(昭和61)年以来の花園勝利を飾ることはできなかった。


▽1回戦 目黒学院(東京第2)83-0勿来工 (33-0、50-0)

 【評】勿来工は目黒学院の猛攻に屈し、初戦で敗れた。前半は果敢にタックルを仕掛けるなど敵陣に攻め込む場面も見られたが、徐々に攻め込まれ5トライを許した。後半は終始防戦に転じ、持ち前の展開ラグビーも堅守に封じ込まれた。


■最後まで攻め貫く

 25年ぶりの花園出場の勢いそのままに初戦突破を目指した勿来工。高い壁に阻まれたものの、磨き上げてきたチーム力で最後まで挑み続けた。主将のSO鈴木悠斗は「みんなとラグビーができて本当に幸せだった」と、大粒の涙を流しながら仲間への思いを口にした。

 序盤は鋭いタックルで相手にペースを握らせず、均衡状態が続いた。迎えた8分、展開しようと出した球を奪われ先制を許すと、その後は目黒学院の堅守とスピードのある攻撃に手を焼き、小刻みに加点を許した。後半は開始直後にトライを決められ、勢いに乗った相手を食い止めることができずに失点を重ねる苦しい時間が続いた。

 それでも勿来工は最後まで集中力を切らすことなく、目標にしてきた「自分たちのラグビーを貫く」ことに徹した。後半終了間際には連続攻撃を仕掛け敵陣に攻め込むなど、チーム一丸となってトライを目指した。

 試合後、小松傑監督は「部員集めからこの大舞台まで、彼らは諦めずに挑戦し続けてくれた。本当に頼もしかった」とたたえた。


■相手の勢い止められず

 鈴木悠斗主将 守備を磨いて臨んだが相手の勢いを止めることができず悔しい。勿来工でラグビーができて幸せだった。


■心の底から試合楽しむ SH油座

 勿来工のSH油座弦志(3年)は同級生で唯一、高校入学前からラグビーに取り組んできた。夢にまで見た花園だったが、目黒学院の猛攻を防げなかった。攻撃の起点としての役割は果たすことができなかったものの、心の底から試合を楽しんだ。部員を勧誘した日々を振り返り、「仲間たちとこの舞台に立てたことが本当にうれしかった」と笑顔を見せた。


■大舞台で成長感じ誇らしい

 小松傑監督 選手たちは果敢にタックルするなどしっかり戦ってくれた。大舞台で成長を感じることができて誇らしい。


■保護者ら100人超スタンドで応援

 スタンドには応援バスで駆けつけたOBや保護者、学校関係者ら100人を超える応援団が詰めかけ、勿来工フィフティーンを後押しした。

 関西県人会はおそろいのジャンパーを身につけ声援を送った。新型コロナウイルスの影響でスタンドでの応援が制限されていたため、3年ぶりの観戦となった。田崎公司会長=西会津町出身=は「点差は開いたが最後まで必死に戦ってくれた」と選手たちをねぎらった。