
野球殿堂博物館(東京都)は13日、今年の野球殿堂入りのメンバーを発表した。野球発展の功労者を対象とした特別表彰で高校野球、東京六大学、プロ野球球団の応援歌を数多く手掛けた福島市出身の作曲家、古関裕而さんが選ばれた。今後、古関さんの表彰レリーフが制作され、野球殿堂博物館内の殿堂ホールに掲げられる。
特別表彰はアマチュア野球の競技者、審判員、プロ・アマチュアの組織や管理に関わり、野球の発展に顕著な功績を残した人が対象となる。古関さんは夏の甲子園大会歌「栄冠は君に輝く」の他、早稲田大の「紺碧の空」、慶応大の「我ぞ覇者」、読売巨人軍の「闘魂こめて」、阪神タイガースの「六甲おろし」などの応援歌を作曲し、野球界に貢献した。2020(令和2)年には古関さんと妻金子(きんこ)さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説「エール」が放送された。
昨年に候補者を絞り、今月の特別表彰委員会の投票で決めた。プロ野球の役員・元役員、アマチュア野球の役員、野球関係学識経験者13人が投票した結果、殿堂入りとなる75%(10人)以上の10票を得た。古関さんは4年連続で特別表彰にノミネートされていた。
古関さんの殿堂入りは野球と応援歌に詳しい慶応大名誉教授の池井優さん(横浜市)が提唱。2018年に福島市、福島商工会議所、福島商高同窓会、福島民報社が発起人会を組織した。野球関係団体、大学同窓会、マスコミが加わり「古関裕而氏の野球殿堂入りを実現する会」が設立され、野球殿堂博物館に推薦書を提出するなどの活動を続けてきた。
福島県関係では、2006(平成18)年に元プロ野球コミッショナーで東京福島県人会や会津会の会長を務めた川島広守さん(会津若松市出身、2012年死去)が特別表彰で殿堂入りして以来2人目。