
福島市の飲食関連業ニックファンズは、鳥獣被害や異常気象などで規格外となった果物を使った加工品の開発に取り組んでいる。第1弾としてモモやリンゴのクラフトコーラを販売している。国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献するとともに、県産品の魅力発信にも努める。
同社は昨年、同市松川町に飲食店兼加工場「Craft Labo&Factory KANPAI BAR(カンパイ バル)」をオープンした。県内農家から規格外の果物を1カ月当たり20~30キロ程度仕入れ、加工している。香料や人工甘味料は使わず、素材本来の味わいを楽しんでもらう。
果樹農家が規格外品の取り扱いに苦慮している現状を踏まえ、食品加工に乗り出した。今後もイチゴやナシ、ブドウなど季節ごとの果物を使った加工品の開発を目指す。
■フルーツカクテルなど体験会を開催
店舗では今後、フルーツカクテルやジャムづくりの体験会、果樹農家との交流会の開催を目指す。
幅広い世代に食品ロスの現状、地元産果物のおいしさを理解してもらう機会にする考えだ。加工品は輸出を進めながら、販路拡大につなげる。
斎藤久志代表取締役CEO 食品ロスを減らしながら、おいしい福島の果物の魅力を伝えていきたい。農家を取り巻く環境は年々、厳しさを増していると聞く。付加価値を高めて販売するという持続可能な農業の在り方も発信していく。
【主な取り組み】
■農業振興
・規格外果物を加工し、販売
・県産品の魅力発信
・農家の経営支援
■地球環境への配慮
・食品ロスの削減
・循環型社会の姿をPR
■地域連携
・関係機関と協力した古里活性化