福島県職員を収賄容疑で逮捕 贈賄容疑の建設会社社長ら2人も 設計金額漏らし接待か

2023/01/24 10:03

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有
福島県県中農林事務所を家宅捜索し、押収品を運び出す捜査員=23日午後9時55分ごろ、福島県郡山市・県郡山合同庁舎
福島県県中農林事務所を家宅捜索し、押収品を運び出す捜査員=23日午後9時55分ごろ、福島県郡山市・県郡山合同庁舎

 福島県会津農林事務所発注の公共工事の入札で設計金額を業者に教えた見返りに、飲食接待など約26万円相当の賄賂を受けたとして、福島県警本部捜査2課と郡山、会津坂下両署は23日午前、収賄の疑いで福島県県中農林事務所農村整備課の職員(44)、贈賄の疑いで会津坂下町の建設会社の社長(45)と役員(59)を逮捕した。

 捜査2課などの調べでは、職員は会津農林事務所が発注する複数の工事の入札で秘密事項に当たる設計金額を会社社長と役員に漏らし、2020(令和2)年3月頃から昨年4月頃までの間、謝礼として飲食費や宿泊代、ゴルフ場のプレー代金など約26万円相当の賄賂を受け取った疑い。

 社長と役員は共謀して職員に賄賂を贈った疑い。県警は3人の認否を明らかにしていない。

 捜査2課によると、設計価格は入札予定価格の基礎となる。逮捕容疑に関わる工事は職員が当時、在籍していた会津農林事務所の農村整備課が担当していた。職員は農業土木事業の設計や積算などに携わっており、設計金額を知り得る立場だったとみられる。

 捜査2課は社長らから職員への利益供与は、会津農林事務所がこの頃に入札を行い、建設会社が落札・受注した工事のうち、一部に対する謝礼の趣旨で行われたとみている。利益供与は複数回行われ、一回当たりの金額は数万円程度という。

 捜査2課によると、職員は2019年度から会津農林事務所に勤務し、昨年4月に郡山市の県中農林事務所に異動した。県警は23日午後に県中農林事務所を家宅捜索し、関係資料を押収した。職員が社長らと知り合った経緯や関係性、他に不審な入札がないかなどを引き続き調べる方針。