東日本大震災・原発事故

荒廃したシイタケ原木林の伐採木を内装材に 林野庁や福島県など検討 原発事故の放射線量に対策

2023/01/24 21:07

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 林野庁と福島県、県内の林業関係団体は、東京電力福島第1原発事故を受け、シイタケ原木としての需要を見込めない広葉樹を建物の内装材として積極的に活用するための検討に入った。24日、オンラインで開いた里山・広葉樹林再生プロジェクト推進連絡会議で示した。

 県によると、荒廃したシイタケ原木林を再生するには、放射性物質濃度が高まった木を伐採する必要がある。伐採した木はパルプ材や発電用のチップ材として流通するケースがほとんどだが、単価が安く、伐採が進まない要因となっている。

 内装材は、フローリング材などを想定。伐採した樹木を効率的に使う方法や販路面などの課題を洗い出し、利活用を促していく。県によると、樹木は樹皮をはぐことで放射線量が低減する性質があり、こうした安全性に関する情報の発信にも努める。

 原発事故発生前の県全体の原木林面積(推計)は約1万㌶。林野庁と県はこの半分に相当する5千㌶の再生を目指す方針。整備には約20年を要すると見込んでいる。