伊達のあんぽ柿、たむらのエゴマ油がGI保護制度に登録 農林水産省

2023/01/31 21:09

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 農林水産省は31日、農林水産物や食品の地域ブランドを知的財産として保護する「地理的表示(GI)保護制度」に、福島県北地方の「伊達のあんぽ柿」、福島県田村市の「たむらのエゴマ油」を登録した。産品独自の多彩な特性を評価するなど昨年11月に制度が見直されて以降、登録は初めて。県産農産物の登録は計5品となった。

 伊達のあんぽ柿は伊達市梁川町五十沢地区で開発され、発祥から100年を迎えた。濃厚な甘さとしっとりとした食感が特徴。贈答品として重用される。

 東京電力福島第1原発事故の影響で加工自粛を余儀なくされ、福島、伊達、桑折、国見の4市町では全量検査の上で出荷、販売している。2019年度にタイ、マレーシア、シンガポールなどへの輸出が再開された。

 伊達地方あんぽ柿連絡協議会の佐藤孝一会長は「他産地との差別化で確固たるブランドを築き、地域活性化に寄与するとともに、地域の財産として守る。国内外への販路拡大も目指す」と話した。

 たむらのエゴマ油は雑みが少なく、香りが際立つ。実を傷つけないよう丁寧に収穫することで、高い品質を実現した。市のブランド認証産品「田村の極」を代表する逸品だ。

 田村市を含む阿武隈山地では、エゴマは餅やあえ物に欠かせない食材として古くから親しまれている。市農林課によると、2021(令和3)年度の市内の作付面積は4・8㌶。市エゴマ振興協議会を中心に栽培を推進している。

 白石高司市長は「登録は大変名誉なこと。地域農業の柱として成長させていきたい。多くの人に田村のエゴマを味わってほしい」と話した。

 県内では南会津町の南郷トマト、郡山市の阿久津まがりねぎ、川俣町の川俣シャモが登録されている。