直筆の詩など展示 福島県浅川町出身のがん研究者吉田富三博士 没後50周年で特別展

2023/02/11 09:20

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詩が記された手帳を見る吉田一哉さん(右)。後方の写真は吉田富三博士
詩が記された手帳を見る吉田一哉さん(右)。後方の写真は吉田富三博士

 福島県浅川町出身の世界的がん研究者吉田富三博士の没後50周年、生誕120周年を記念した特別展「吉田富三の詩」は博士の誕生日に当たる10日、古里の吉田富三記念館で始まった。詩人、文化人、思想家としての側面を知ってもらうため、直筆の詩などを26日まで展示している。

 博士は思いつくままに詩、随想などを手帳や雑記帳に書き記し、詩は500編ほど残したと伝わる。会場には人間の命、教育、文化などのさまざまなテーマの詩50編と手帳、年譜、写真が並ぶ。

 初日は開会式が行われ、江田文男町長が主催者あいさつ。孫の吉田一哉さん(65)=東京都=が「立派な記念館は祖父の古里の発展につながる」とあいさつした。

 博士が発見した移植可能ながん細胞「吉田肉腫」は、がんの療法研究の糸口になった。広い見識から国語審議会委員も務めた。

 開館時間は午前9時から午後4時30分(入館は午後4時、最終日は正午)まで。月曜休館。入館料は大人400円、高校生250円、小中学生無料。