
田村高3年の郡司あすかさん、儀同涼加さん、田中美幸さんの3人が、地元・福島県三春町の田村大元神社に奉納されている算額の複製に挑戦し完成させた。想像力を膨らませ、桜舞い散る鮮やかな作品に仕上げた。
算額は、和算の問題や解法を記した絵馬や額で、和算を学ぶ人たちが、問題が解けたことへの感謝や勉学に励むことへの誓いを込めて神社仏閣に奉納した。江戸時代後期から明治にかけて活躍した和算家・佐久間庸軒が今の田村市船引町生まれで、三春藩校「明徳堂」で多くの門弟を指導した歴史があり、三春を中心に県内には多くの算額が残っている。
3人は、地元の文化や先人の知的好奇心に触れてみようと、算額の複製に取り組んだ。元々の額に書かれていたのは、桜の花の数を方程式で求める問題。三春は三春滝桜をはじめとした桜の名所のため、3人は額の中央に桜を大きく描いた。文字を担当した郡司さんは「達成感がある」と出来栄えに満足そう。作画を担った儀同さんは「風を感じられるよう、桜の表現を工夫した」、田中さんは「人物が遠くからでも目立つように描いた」と話した。
完成した算額は14日、町に寄贈された。贈呈式を町役場で行い、坂本浩之町長に手渡した。坂本町長は「これを機に、地域の歴史を多くの人に知ってほしい」と述べた。
役場2階の桜ホールに展示する予定。