2027年度の開院目指す 老朽化で移転の県立宮下病院(福島県三島町)

2023/03/04 09:25

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 老朽化が進む福島県三島町の県立宮下病院について、県は病床19床の「有床診療所」として建て替えた上で、2027(令和9)年度の開院を目指す。場所は町内の町民運動場に移転する。病床数は縮小するものの、六つある診療科を引き続き設け、外来診療、入院、救急対応などの医療機能も維持する。感染症対応の診療室、在宅医療ステーションを新設し、県内でも特に高齢化率の高い地域の特性に合った医療環境の充実につなげる。

 3日の2月定例県議会の一般質問で、三浦爾県病院局長が山内長議員(自民、大沼郡)の質問に示した。県は来週中にも基本計画を取りまとめ、新年度に測量や建築設計などに着手する。

 移転場所は宮下病院から約1㌔東になる。国道252号沿いで交通アクセスの良さなどから選んだ。診療科は現在の内科、外科、整形外科、精神科、皮膚科、耳鼻咽喉科を維持する。患者数の減少などを踏まえ、病床数は32床から13床減らす。

 宮下病院の建物は完成から50年以上経過。有識者による検討委員会が2020年2月、病床19床以下の有床診療所に転換した上での入院対応、初期救急・時間外受け入れの継続、地域包括ケアシステムの構築支援などを県に提言していた。

 矢沢源成三島町長は「近隣町村で要望していた在宅医療機能の新設置は、住民が安心して暮らすための心のよりどころになる。今後も県と連携して取り組みたい」とコメントした。