
福島大共生システム理工学類の黒沢高秀教授(57)は8日、福島県昭和村の矢ノ原湿原に繁茂していた外来種「園芸スイレン」を5年かけて駆除したと発表した。
園芸スイレンは繁殖力と再生力が強い水生植物。生態系に影響を及ぼす可能性があるため、国が「侵略的な外来種」に指定している。県自然環境保全地域で村天然記念物に指定されている矢ノ原湿原では1970年代以降から増殖し、近年は水面の7割以上を覆っていた。
駆除は村から委託を受けて実施した。福島大の職員や学生、県植物研究会員、村民ら延べ120人が参加。手で根茎を引き抜く方法で2018(平成30)年度から始め、目視で確認できる全ての園芸スイレンを駆除した。
黒沢教授は「駆除までに必要な労力量などの目安ができた。県内外での取り組みに活用する」と話した。