福島県白河市産コシヒカリを米国に輸出へ 販路拡大図る 斎藤商店とゼンショーライス

2023/03/09 18:55

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白河市産米の魅力を世界に知ってほしいと願う斎藤社長
白河市産米の魅力を世界に知ってほしいと願う斎藤社長

 福島県白河市の米穀集荷卸業斎藤商店と親会社のゼンショーライス(本社・東京都)は市産コシヒカリ「白河こしひかり」の米国輸出を始める。同社や市によると、県内の民間企業が市産米を海外へ輸出するのは初めて。2021年の米国による日本産食品の輸入規制撤廃を受け、「白河ブランド」を世界に発信する。

 斎藤商店は1804(文化元)年創業。2021年10月にゼンショーグループに加入し、県内外へのコメの卸売やインターネット販売などに取り組んでいる。以前は九州や沖縄まで販路を拡大していたが、東京電力福島第一原発事故の影響で大幅に縮小した。今回、市産米のおいしさや生産者の努力を知ってもらうとともに、新たな販売先を確保するため、ゼンショーライスと輸出に踏み切った。

 輸出するのは市内関辺の農業菊地一朗さん(69)が生産しているコシヒカリで、年間約20㌧を輸送する予定。販売先はスーパーなどを想定しているが、詳細な販売方法は現地消費者の反応や需要動向を考慮して決める。

 今月中旬、米国にあるゼンショーグループの子会社で試験的に対面販売する。その結果を踏まえ、年内に本格輸出する。

 斎藤商店の斎藤孝弘社長は「白河のコメは粘りと甘味が強く、見た目もいい。実際に食べて、魅力を感じてほしい」と話した。