「たくさんの若者が映画館を望んでいる」 福島県会津若松市の生徒らが市長に建設要望

2023/03/17 09:17

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室井市長に手紙を渡す(右から2番目から)大塩さん、五十嵐さん。左は渋川会頭
室井市長に手紙を渡す(右から2番目から)大塩さん、五十嵐さん。左は渋川会頭

 福島県会津若松市の生徒ら2人は14日、室井照平市長と懇談し、市内に映画館を建設するよう要望した。2人は意識調査の結果などを踏まえ「たくさんの若者が映画館を望んでいる」などと実現を訴えた。

 学生は会津高3年で今春卒業の五十嵐美咲さん(18)と、会津若松ザベリオ学園中生徒会長の大塩袖司(しゅうじ)さん(2年)。五十嵐さんは高校の総合的な探究の時間に生徒らのニーズ調査を行い、論文をまとめた。大塩さんは生徒会役員選で映画館建設を公約に掲げて当選し、生徒会でアンケートも実施した。

 誘致活動に取り組んでいる会津若松商工会議所の渋川恵男会頭が2人の活動を知り、市長に思いを伝えることにした。

 市役所を訪れた五十嵐さんは「若者からは『会津はつまらない』との声が多いのが現状。映画館をつくることで会津全体が経済的、社会的にもっと盛り上がれる」と主張。大塩さんは「郡山の映画館に行くと、交通費がチケット代を上回る。校内アンケートでは生徒の85%が建設を望んでいた。検討してほしい」と求めた。

 室井市長は2人から論文や手紙を受け取り、「市が映画館を直営するのは難しいが、思いは皆さんと変わらない。商工会議所と相談しながら誘致活動を強化したい」と応じた。渋川会頭も同席した。

 2人は同日、市議会の清川雅史議長とも懇談した。

 市内では中心市街地に不動産開発賃貸業者がシネマコンプレックス(複合映画館)を整備する構想が浮上している。