
昨年夏にソフトテニスのダブルスで全国大会優勝を成し遂げた福島県須賀川市の双子の小学生、大武姫菜さん(12)、夢菜さん(12)=西袋一小6年=がシングルスでも初の全国制覇を目指す。29日から千葉県白子町で開かれる全国小学生大会に県代表として挑む。同世代でトップクラスの実力を誇る双子。互いを好敵手と捉え、小学生最後となる全国の舞台で頂点の座を争う。どちらが優勝しても同大会シングルスでは県勢初となる。
左利きで力強く早い球を打つ姫菜さんと、多彩な技で相手を崩す夢菜さん。ダブルスでは双子の利点を生かし、巧みにポジションを調整する。勝利を積み重ね、幾度も全国大会の表彰台に上ってきた。今年、日本ソフトテニス連盟が選ぶU―14の全日本チームに最年少で選ばれ、連盟派遣の監督やコーチの指導の下、17日まで棚倉町で合宿を行っている。国内屈指の強豪たちと練習に励んでいる。
強みも弱点も知り尽くした2人だけに、シングルスは白熱した試合になる。11日の東北大会では決勝戦で当たった。拮抗(きっこう)した試合展開となったが、わずかに夢菜さんの技が勝り、姫菜さんを制して優勝した。
ソフトテニスの練習の様子を見学したのがきっかけで2人そろって小学1年生に地元スポ少に入った。2年生からは毎年、全国大会に出場。昨年7月の全日本小学生選手権ではダブルスで優勝を果たした。
今度の大会は小学校時代の集大成となる。姫菜さんは「決勝まで確実に進み、夢菜に勝ちたい」、夢菜さんは「体力には自信がある。粘り強く戦い優勝する」と交わす視線に闘志をみなぎらせた。 県ソフトテニス連盟シニア会理事長の鈴木健一さん(74)は2人が競技を始めたころから応援してきた。2人の強さを「プレーの引き出しが驚くほど多い」と分析。「将来は全日本選手権で優勝し日本一を取れる選手だ」と評価する。「これからも大きく羽ばたけるよう練習環境を整えたい」と語った。