
高校、大学生の目線で同世代に防災の大切さを伝えるボランティア団体「防災me(ミー)」が今月、発足した。人気インフルエンサーとの連携など、若者により伝わりやすい発信方法で防災意識の高揚を図る。
今春、福島県郡山市の日大東北高を卒業した陰山弘暉さん(18)が立ち上げた。インターネットサイト「防災me」を開設し、家具の固定やハザードマップ確認などすぐにできる備えを紹介している。今後はボランティアの心構え、災害現場で気をつけるポイントなどを学ぶ勉強会を企画する。高校、大学生目線の防災グッズ開発なども視野に入れている。
陰山さんが同世代への情報発信に力を入れるのは2019(令和元)年の台風19号の経験からだ。氾濫した川の水が自宅近くに迫った。ハザードマップの確認など日ごろの備えの重要さを実感した。若者の防災意識はまだ低いと感じている。交流サイト(SNS)で影響力を持つインフルエンサーとの連携など、若者に響きやすい言葉、方法で伝えていく。
4月からデジタルハリウッド大(東京都)に進む。アプリやウェブ開発、映像などの知識を学び、その技術をサイト運営に生かす。「防災の大切さを知っていても、具体的な備えをしている若者は少ない。まずは防災に関心を持ってもらいたい」と話している。
【写真】高校、大学生ら若者の防災意識高揚を目指す陰山さん