オンラインで心の悩み相談 国立センターのサービス運用開始 福島県郡山市が東北初

2023/05/26 09:47

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 福島県郡山市は25日、精神面に不調を抱える人の相談体制を充実させるため、国立精神・神経医療研究センター(東京都)のオンライン相談サービスの運用を始めた。東北地方の自治体では初めて。品川萬里市長が記者会見して発表した。

 ウェブサイト「KOKOROBO(ココロボ)」で気分や不安、睡眠などの項目をセルフチェックする。結果を基に精神状態が三つに分類され、「中等度以上」はセンターの臨床心理士によるオンライン相談を受ける。症状に応じて市内5カ所の提携医療機関を受診する。

 「軽度」「軽度未満」は人工知能(AI)のチャットによる支援を受けられる他、判定から1カ月後に再度のセルフチェックを促すメールが届く。

 市によると、2021(令和3)年度の市内の自殺者数は前年度比14人増の63人。このうち4人が15歳から19歳までの女性だった。一方で、保健所に寄せられた悩み相談の件数は前年度より減少した。市は相談窓口を広げ、自殺予防を推進しようとサイト活用を決めた。

 市外在住者もセルフチェックなどは可能。市は今後、交流サイト(SNS)や広報などでココロボの情報を発信する。全国では東京都と11市が運用している。