東日本大震災・原発事故

「創造的復興サミット」検討 阪神大震災、東日本大震災 教訓を世界と共有 大阪万博開催の2025年に

2023/05/30 09:45

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 大阪・関西万博が開かれる2025(令和7)年に、阪神大震災や東日本大震災などこれまでの大規模災害に見舞われた被災地の知事らが意見を交わす「創造的復興サミット」の開催が検討されていることが29日、分かった。阪神大震災の被災地・兵庫県の斎藤元彦知事が29日、福島県の内堀雅雄知事ら東日本大震災被災3県の知事に開催を提案し、3県知事が前向きに検討を進める考えで一致した。2025年は阪神大震災から丸30年、東日本大震災から15年目の節目となる。教訓や復興の歩みを世界に発信し、未曽有の災害の記憶を次世代に継承する機会となることが期待される。

 「創造的復興」は災害発生後の復興段階に、次の災害発生に備えてより強靱(きょうじん)な地域づくりを進める考え方として、阪神大震災に際し兵庫県が唱えた。その後、東日本大震災などでも提唱されてきた。異常気象などを背景に災害が激甚化、頻発化する中、サミットを通じ、大規模災害の経験と教訓を国内外と共有する。詳細は今後、議論が本格化するとみられ、開催時期は大阪・関西万博の日程、10月13日に定められている「国際防災の日」などを考慮し、決定される方向だ。海外の自治体関係者らにも参加を促す方針。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の複合災害に見舞われた福島県は避難区域の解除、原発の廃炉など今後数十年の長期にわたる復興の道のりがあり、現在進行形で進む復興の姿を発信する機会となる。原発事故に伴う風評もいまだに根強く、福島県の正しい現状を国内外に伝える場になることも期待される。