国土交通省は15日、第22回「日本鉄道賞」の受賞団体を発表した。福島県内から、県やJR只見線沿線の自治体・関係団体でつくる只見線利活用推進協議会(会長・鈴木正晃副知事)が「『未来へつながる、希望の鉄路』特別賞」に選ばれた。昨年10月の再開通に合わせた沿線地域全体でのおもてなし、観光列車の企画などが「災害復興のロールモデル」と評価された。県内では鉄道事業者の受賞歴はあるが、沿線地域が加わった団体の受賞は初めて。
国交省や鉄道事業者団体などでつくる「鉄道の日」実行委員会の主催。鉄道の活性化につながる優れた取り組みを表彰している。今年度は20件の応募があり、最高賞の大賞に1件、特別賞に只見線利活用推進協議会を含む4件を選んだ。
只見線沿線自治体は「手をふろう条例」を制定し、地元住民が駅や線路脇で列車に手を振り、国内外からの乗客を歓迎。再開通した昨年度の乗客数は2011(平成23)年度の豪雨災害前を上回った。絶景を生かした観光列車の運行なども積極的に進めている。
沿線の渡部勇夫只見町長は「手をふろう条例の取り組みなどは自治体だけでなく、地域住民と一緒にやってきたので喜びを分かち合いたい」、押部源二郎金山町長は「只見線が全国的に注目されているのは大変喜ばしい。沿線住民のおもてなしの素晴らしさも認められた」と語った。県の担当者は「日本一の地方創生路線を目指し、一層の活性化に取り組む」としている。