福島の魅力を全国へ 日本郵便社員インタビュー

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古里の味をお客さまの思いとともに届ける【福島県いわき市・いわき鹿島郵便局】

 捕れたばかりの新鮮なウニをホッキの貝殻に盛り付けて焼き上げる「ウニの貝焼き」。生ウニより濃厚な味と香ばしさが特徴でいわき市を代表する名産です。「ゆうパック」などで地元の海産物を全国に発送している、いわき鹿島郵便局(福島県いわき市)の佐藤佐紀子さんに話しを聞きました。

◆絶品の海の幸、水産加工品◆

【写真】いわき市名産のウニの貝焼き(①)、アワビの磯煮(②)

―いわき市の魅力を教えてください。

 一年中、気候が安定しているので過ごしやすい地域です。郵便局にはその土地にゆかりのある風景や名所を描いた風景印があります。いわき市は観光スポットが多いので、風景印も魅力的。風景印のために窓口に来られる方もいます。さらに、太平洋に面したいわき市の沖合は寒流と暖流が交わる豊かな漁場です。「常磐(じょうばん)もの」と呼ばれる海の幸、水産加工品は絶品です。ウニの貝焼きはとても美味しいです。私はワサビを添えてお醤油をかけてご飯のお供としていただきますが、お酒のツマミにも最高です。ウニの貝焼きは贈り物としても大変人気です。


◆あたたかい雰囲気づくり◆

―どのような気持ちで取り扱っていますか。

 私自身、大学進学後、久しぶりに帰郷し、地元の郵便局で働く方の地元なまりを聞いて「古里に帰ってきたな」と居心地の良さを感じました。私も人を安心させる仕事に就きたいという思いが原点になっています。笑顔も大事ですが、「あいさつ+1(プラスワン)」を意識し、あたたかい雰囲気づくりを心掛けています。

 近年、コロナ禍でご家族や親せき、友人と会えない方が多いですよね。古里の味を贈る方も増えたように感じます。贈る方も相手の喜ぶ姿を思い浮かべると笑顔になるでしょうし、受け取られた方も喜びます。懐かしい味に心の距離も縮まると思います。中には、贈り物を受け取られた方のお写真や動画を見せてくださる方もいます。先日は、小さいお孫さんが商品を受け取って大喜びしている後ろ姿の動画を見せてもらいました。私も心があたたかくなります。お客さまの喜ぶ姿を見ることは、郵便局で働いて良かったと思う瞬間ですね。


◆古里の味を贈る◆

―東日本大震災から10年が過ぎました。影響はありますか。

 いわき市の中之作郵便局に勤務していました。社員もその場にいたお客さまも近くの小学校に避難して無事でしたが、停電と断水で閉局せざるを得ませんでした。2週間後に開局しましたが、郵便局に来られていた顔見知りの方が行方不明、または亡くなったと聞きショックでした。そのころの接客は笑顔でというより、お客さまのお話しを聞くことに徹しました。当時のことをお話しされるお客さまがたくさんいましたし、中には漁業にたずさわった方もいらっしゃいました。大変だった出来事を話すことで少しでもお客さまのお気持ちが軽くなればという思いがありました。

 震災があり、家庭の事情で進学やお仕事、結婚などで地元を離れた方もいらっしゃいますし、やむなく離れて暮らさなければならない人もたくさんいます。古里を離れざるを得なかった方々にいわきの味を届けたい。懐かしい味を食べてほしい。古里を思い出してほしい。目の前にいらっしゃるお客さまの思いと、その送られるお相手の思いを想像しながら、商品を取り扱っています。


◆思いをお取り扱いできる仕事◆

―これからの展望をお聞かせください。

 郵便局は、送り手の思いの詰まったお手紙や贈り物を相手に送る、人と人をつなぐ存在だと思っています。人の思いをお取り扱いできる仕事は、とてもやりがいがあります。郵便局のサービスを通じてお客さま同士のつながりがより深まったり、新しいつながりが生まれれば嬉しく思います。これからも地域のお客さまにとって安心できる存在でありたいです。

※郵便局の「ふるさと小包」では各種産品を販売していますが、時期によって取り扱っていない商品がございます。

全国に誇れる「フルーツ王国」福島の魅力届けたい【福島県福島市・福島豊田町郵便局】

 国内有数の果物の産地として知られる「フルーツ王国」福島県。とりわけ、県北地域では桃や柿を加工した「あんぽ柿」の生産が盛んです。「ゆうパック」などで地元の果物を全国に発送している福島豊田町郵便局(福島県福島市)の局長で、福島県北部地区郵便・物販担当副統括の渡辺伸克さんに地元の果物の魅力を聞きました。

◆年間通じ旬の果物生産◆

―フルーツ産地としての福島県の特長を教えてください。

 県内ではサクランボ、桃、梨、ブドウ、リンゴ、柿、イチゴなど四季折々の果物が生産されています。現在、桃は都道府県別で全国2位の生産量を誇ります。福島が「フルーツ王国」と呼ばれるゆえんは、このような種類の豊富さに加え、年間を通じて旬の果物が生産されている点にあります。

 県北地域は古くは養蚕業で発展した地域でした。第二次世界大戦後に養蚕業が衰退したことに伴い、桑畑が果樹園に転換していった歴史があります。私の実家も小学校低学年のころ、養蚕農家から果樹農家に切り替わりました。今では寒暖差の大きな盆地特有の気候と風土を生かし、季節ごとに新鮮な果物が生産されています。初冬の時期の特産品としては、県北の風物詩としても知られる「あんぽ柿」があります。あんぽ柿は干し柿の一種ですが、独特の製法で乾燥させることでしっとりとした食感や濃厚な甘さを備え、高級品としても重用されています。


◆風評被害受けた出荷量◆

―2011年3月の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から10年余りが経ちました。生産者の皆さんは長引く風評被害に苦しんできました。

 県産の桃は原発事故前まで5kg2000円で取引されていましたが、風評被害の影響で一時は300円まで価格が落ち込みました。「あんぽ柿」は生産自粛を余儀なくされました。農地や果樹の除染とモニタリング検査という生産段階・出荷段階の放射性物質対策を徹底してもなお、風評を完全に払拭(ふっしょく)するのは難しいのが現状です。生産者である父の姿を見てきたぶん、農家の皆さんのご苦労は身に染みて感じています。

 郵便局は過疎地域も含む全国すべての市町村に約24,000あり、日本全域を網羅しているネットワークを有しています。事業の要である郵便サービスを活用し、品物をご注文いただき、発送先まで安全に素早くお届けしています。風評被害で落ち込んだ果物の出荷量を回復させるため、地元が誇る特産品を少しでも多くの消費者の皆さんにお届けしていくことで地域を元気づけていきたいと思います。

 生産者の皆さんから小包を集荷し、贈り先に届ける従来のサービスに加え、2014年からJAふくしま未来さんと協力し、「ふるさと小包」のカタログ販売を全国に向けて扱っています。郵便局が窓口として注文を受け付けて生産者の皆さんに伝え、梱包された商品を受け取り発送しています。おいしい果物を支えている生産者の皆さんの思いを全国に届けたいですね。


◆「おいしさ」「安全性」お手元に◆

―取り組みを始めてから変化はありましたか。

 インターネットで商品の注文もできる時代ですが、郵便局はインターネットでの買い物が難しいお客さまも窓口で対応できる身近な存在です。JAふくしま未来さんのデータによると、出荷量は震災前と比較して8割程度まで戻ってきているようです。郵便局の取り扱い数は現在、桃が9千個、あんぽ柿が4千500個と毎年増えてきています。美味しい桃やあんぽ柿が全国の皆さまのお手元に届いていることが嬉しいです。果物の「おいしさ」と「安全性」を地域密着で届けたいですね。


◆福島の四季の果物 1年間届けたい◆

―今後、取り組みたいことは。

 四季を通して果物がある福島の魅力を全国にお届けしたいです。サクランボから桃、梨、ブドウ、リンゴ、あんぽ柿、イチゴという1年間を通した商品ラインナップを作って、お取り扱いしていきたいです。福島県の美味しいものを知っていただいて、多くの方に手に取っていただきたいと思っています。

 生産者の皆さんからいただいた美味しい桃やあんぽ柿を丁寧にお届けする。届いたお客さまに美味しくいただいてもらう。これが一番の願いです。

 ※郵便局の「ふるさと小包」では各種産品を販売していますが、時期によって取り扱っていない商品がございます。