今を生きる 踏みだす一歩(11) 安心の車待つ人に
相馬市馬場野の六号国道沿いにプレハブの小さな事務所がある。50台余りの中古車が敷地に並ぶ。南相馬市小高区から移った志賀正幸さん(68)は車体を磨き、客を待つ。事務所を構えて...
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もっと見る...人けのない昼下がり、駐車場の片隅でつえを支えに歩を進める。震える両脚に全神経を集中させる。額に汗がにじむ。「絶対に自力で歩いてみせる」。郡山市のビッグパレットふくしまに避難...
もっと見る...トウ、トウ、トウ。川内村の畜産農家志賀亀松さん(79)が畜舎で合図を送る。母牛3頭と子牛3頭がゆっくりと近づく。「元気で良かったな」。愛(いと)おしそうに体をなで、心でわび...
もっと見る...南相馬市原町区で志賀医院を営む志賀嘉津郎さん(62)は避難先の東京から地元に戻って1カ月になる。大きな余震に備え、動きやすい服装で診療に当たる。 「体調はどうですか」。待...
もっと見る...<ピッ、ピッ、ピッ>。胸ポケットに差し込んだ線量計から電子音が鳴る。放射線の積算線量が上昇したことを告げる。 「まだ大丈夫だ」。富岡消防署警防第一係の岡本博之さん(38)...
もっと見る...いわき市内郷御厩町の御厩小の避難所に坂本九さんの「見上げてごらん 夜の星を」の曲が流れる。フラダンスの教室生12人が優雅に舞う。人さし指と中指で星をかたどり視線を向けると、...
もっと見る...「お帰りなさい」。二本松市岳温泉の旅館「お宿花かんざし」のおかみ二瓶明子さん(32)の明るい声が館内に響く。「ただいま」。浪江町の男子中学生が弾む声であいさつを返す。 大...
もっと見る...相馬市に本社を置く女性衣料メーカー「福装21」は、夏物の生産がピークを迎えている。相馬市にある2つの工場と南相馬市の工場内にミシンの音が響く。女子社員ら約260人が仕上げた...
もっと見る...「こぼしちゃったね」。優しいまなざしに園児は自然と笑顔になる。「もう1口食べようね」。口元をそっと拭き、スプーンを近づけると、小さな口があーんと開いた。 浪江町の保育士東...
もっと見る...騎馬武者の背中で旗指物が風を切る。家紋がはためく。歓声が上がる。「(祭りになると)血が騒ぐんだよ」。南相馬市原町区、にしうち染工場の3代目西内清祐さん(48)は相双地方を舞...
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