連載・原発大難

　３・１１以前の福島はもうない。地震、津波、さらに原発事故という例のない震災は、県民にこれまでとは異なる価値観や考え方を強いている。放射線の恐怖、漂流する住民と自治体、手探り...

　　　　　３月の売り上げは前年の半分だった。 　震災から１００日以上たっても客足は戻らない。福島市のパセオ通りを歩く人はまばらだ。陶器店を営む岡崎俊資さん（６７）は放射線を気...

　　　　　除染の助言者はかつて原子力研究、行政の中枢にいた。 　伊達市が３日に始めた「除染プロジェクト」でアドバイザーに就いたのは、元内閣府原子力委員長代理・田中俊一さん（６...

　　　　そもそも自分はどのくらい被ばくしているのか。 　県民の多くが抱く疑問だ。被ばくには体に付着したり地表に落下したりした放射性物質が発する放射線を体外から浴びる外部被ばく...

　　　　内部被ばくは外部被ばくより危険とみる研究者がいる。 　外部被ばくは放射線量の高い場所を避ければ減らせるが、内部被ばくは呼吸や食物として体内に入った放射性物質が直接臓器...

　　　　　県民健康管理調査の詳細をまだ多くの県民は知らない。 　県は新聞広告などで調査の概要を説明し、被ばく量の推計に必要な「いつ」「どこに」「どのくらい居たか」などの行動記...

　　　　　「広島」が「福島」に向ける目はほかとは少し違う。 　広島市のタクシー運転手小田恭生さん（６０）は、毎日必ず東京電力福島第一原発事故の新聞記事に目を通すという。「人ご...

　　　　　異例ともいえる意見の発信だった。 　６月２３日、長崎大の片峰茂学長は「福島県における放射線健康リスク管理活動について」と題するメッセージを発表した。 　本県の放射線...

　　　　　　　食品の暫定基準値はなぜ「暫定」なのか。 　福島市鎌田の主婦（４３）は心の中に割り切れない疑問を抱えながら日々スーパーで手に取るのは県外産の野菜だ。 　大震災で市...

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