【第1部 安心の尺度】(1)神様が与えてくれた命 運命の子…揺れる心
人類で初めて放射能の存在に気づいたのはフランスの物理学者アンリ・ベクレル(一八五二~一九〇八年)だった。ウラン塩が放つ放射線が写真乾板を感光させることを偶然、発見する。「人...
もっと見る...人類で初めて放射能の存在に気づいたのはフランスの物理学者アンリ・ベクレル(1852~1908年)だった。ウラン塩が放つ放射線が写真乾板を感光させることを偶然、発見する。「人類に最も大きい夢をもたらした」として、キュリー夫妻と共にノーベル物理学賞を受賞した。今年で110年になる。だが、ベクレルは想像しただろうか。原発事故で拡散した放射性物質が、これほど人々を不安に陥れるとは。今なお続く放射線との戦いを追う。
人類で初めて放射能の存在に気づいたのはフランスの物理学者アンリ・ベクレル(一八五二~一九〇八年)だった。ウラン塩が放つ放射線が写真乾板を感光させることを偶然、発見する。「人...
もっと見る...池田美智子(39)のノートには、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が起きた平成二十三年三月十一日からの記録がびっしりと書き込まれている。間もなく一年十カ月がたつが、ペー...
もっと見る...池田美智子(39)は平成二十三年七月十一日、避難先の栃木県那須塩原市から千葉市の放射線医学総合研究所(放医研)に向かっていた。東京電力福島第一原発事故当時、双葉郡などにいた...
もっと見る...池田美智子(39)は平成二十三年十一月末、避難先の栃木県那須塩原市にある国際医療福祉大学病院に緊急入院した。心労がたたってか、切迫流産の恐れがあった。妊娠していることが分か...
もっと見る...「この子は生まれながらにハンディを背負っている」 双葉町から栃木県那須塩原市に避難している池田美智子(39)は東京電力福島第一原発事故後に妊娠、出産した次男芳稀の未来を案...
もっと見る...「いただきます」 飯舘村比曽行政区から福島市飯野町の仮設住宅に避難する主婦・菅野明美(51)の家で夕食が始まった。 「みそ汁は体にいいから食べてね」。建設会社に勤務する...
もっと見る...菅野明美(51)が大玉村にあるゴルフ場のホテルに避難していた平成二十三年六月、飯舘村から内部被ばくを調べるホールボディーカウンター検査の案内が届いた。長女の愛莉(あいり)=...
もっと見る...「ミッキーやダッフィーと写真を撮ろう」 東京電力福島第一原発事故で飯舘村比曽行政区から福島市飯野町の仮設住宅に避難している主婦・菅野明美(51)は、車の中ではしゃぐ長女愛...
もっと見る...山形県米沢市。最深積雪が一メートル前後になる豪雪地帯に、福島市野田町から自主避難している整体師・松井国彦(45)の民間の借り上げ住宅がある。 一室に、にこやかにほほ笑む仏...
もっと見る...平成二十三年三月末。福島市野田町の整体師・松井国彦(45)は、東京電力福島第一原発事故後に県外に自主避難していった知人らを思い、絵手紙を描いた。 <遠くはなれていても思い...
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