施策決定に住民参加 厳しい審査「企業の強みに」

【米国・ワシントン州で丹治隆記者】浜通りをロボット研究開発の最先端地域とする「福島・国際研究産業都市構想」の策定に向け、米国の廃炉・除染技術やロボット研究開発の取り組みなどを調査する赤羽一嘉経済産業副大臣を団長とした政府の視察団は16日(日本時間17日)、汚染水対策や地域経済の復興などの先進地であるワシントン州のハンフォード・サイトと周辺地域を訪れた。
核施設を抱え廃炉や除染、汚染水対策などで実績があるハンフォード・サイトは、周辺地域に多くの研究機関や企業が集積している。隣接するリッチランド、パスコ、ケネウィックの3市を中心とする都市圏(トリシティズ)を形成し、経済発展と人口増加を続けている。今回の視察では、東京電力福島第一原発の周辺地域の復興に向けた参考事例の一つとするため訪問した。
一行はケネウィックでハンフォード・サイト周辺地域で活躍する住民や企業、NPOの代表者らとの意見交換会に参加した。各代表が地域振興などの取り組みを発表した後、視察団と懇談した。地域住民の代表者の1人は除染の範囲など行政の施策の決定に地域住民が積極的に関わっていくことの重要性を強調した。食品関係の企業の代表者は、周辺地域だからこそ政府による厳しい安全審査や透明性の高さなどが担保されていると指摘。逆に強みとなっている点などを紹介した。視察団は同日、ハンフォード・サイト内も見学した。
視察団には県、楢葉町、飯舘村から計5人が加わっている。本県関係の参加者は次の通り。
▽県=佐竹浩企画調整部政策監兼企画推進室長、佐藤安彦企画調整部企画調整課主任主査
▽楢葉町=松本幸英町長、磐城恭新産業創造室長
▽飯舘村=中川喜昭復興対策課長
