本県企業 販路拡大に意欲 欧州最大級の国際見本市 副知事視察

【ドイツ・ノルトライン・ウェストファーレン州で斎藤靖記者】ドイツを訪問中の村田文雄副知事は11日午前(日本時間11日午後)、ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州・エッセン市で開催中の欧州最大級のエネルギー関連産業国際見本市「イー・ワールド」を視察した。初めて本県から出展している会川鉄工(いわき市)、クニミネ工業(同)の二社の展示を見学し、今後の事業展開に期待した。
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会川鉄工は地中熱を利用した太陽光発電パネルの融雪・冷却システムと、郡山市に開所する産業技術総合研究所(産総研)福島再生可能エネルギー研究所に納品予定の風力発電タワーを撮った写真パネルを展示している。
クニミネ工業は、地表面から立ち上る水蒸気で太陽光パネルが劣化するのを防ぐため、パネル背面に張り付けるガスバリア材料(シート)などを紹介している。
村田副知事は今回出展した県内の2社について「海外展開の意欲の高さを感じた。県とウェストファーレン州との連携を生かし、県内から出展企業が増えるよう支援していきたい」と語った。
2社の出展を支援した日本貿易振興機構(ジェトロ)デュッセルドルフ事務所の植田大所長は「福島県の企業がドイツで販路を拡大するチャンスはある。そのためにも継続出展が重要」と指摘した。
村田副知事は会場で同州のガレルト・デュン経済相、ヨハネス・レンメル環境相から展示内容などの説明を受けた。
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村田文雄副知事はイー・ワールド視察に先立ち、ボーフム市のベルクマンスハイル大学病院を視察した。
同病院には、ふくしま医療福祉機器開発事業費補助金を活用し、県ハイテクプラザで研究に取り組んでいるサイバーダイン社(本社・茨城県つくば市)の治療・リハビリ用ロボットスーツが導入されている。
村田副知事は同病院のミルコ・アーハ外科医の案内で、脊髄損傷などで下半身不随となった患者がロボットスーツを着用し、治療・リハビリに取り組む様子を見学した。
アーハ氏は「ロボットスーツは運動機能回復に大きな効果がある。今後、他の大学と連携しながら普及を図りたい」と語った。
