データで見る 東日本大震災・東電福島第一原発事故

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福島の今

2022 福島の今
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福島県内推計人口

福島県における出生数と合計特殊出生率

福島県内の空間放射線量の推移

◆福島県環境放射線モニタリング・メッシュ調査結果等に基づく県全域の空間線量率マップ

世界の都市との放射線量比較

出典:環境省ホームページ ( https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo/h30kiso-02-05-07.html

避難区域

復興拠点の一部解除

 2011年3月に原発事故が発生し、県内12市町村に避難指示が出された。その後、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域に再編され順次、避難指示の解除が行われてきた。
 2020年3月4、5両日で東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域のうち、双葉、大熊両町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)内にある一部地域の避難指示を解除した。帰還困難区域の一部解除は初めてとなった。
 2020年3月10日には富岡町の一部地域の避難指示も解除された。双葉町は避難指示解除準備区域も合わせて解除され、原発事故後設定された避難指示解除準備区域はなくなった。2019年4月10日に大熊町の居住制限、避難指示解除準備両区域の避難指示が解かれて居住制限区域がなくなっており、原発事故に伴う避難区域は帰還困難区域のみとなった。
 帰還困難区域を抱える7市町村のうち南相馬市を除く6町村に設定された復興拠点を巡っては、葛尾村が2021年11月30日、大熊町が2021年12月3日から準備宿泊を開始した。

■葛尾村野行地区の復興拠点 避難指示解除 帰還困難区域で居住再開は初 

 東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、葛尾村野行地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示は2022年6月12日午前8時に解除された。帰還困難区域で住民が再び暮らせるようになる初の事例となる。帰還困難区域が設定された自治体で復興拠点全体の解除も初めて。原発事故から11年が過ぎ、拠点内でのまちづくりがさらに進む。
 午前8時から県道沿いにあるゲートが開放され、順次バリケードが撤去された。古里に戻る住民の姿が見られた。
 野行地区は村北東部に位置し、村唯一の帰還困難区域に指定された。2018(平成30)年に約1600ヘクタールのうち、約95ヘクタールが復興拠点として認定された。除染やインフラ整備の先行実施、コミュニティー再生に向けた集会所の再整備、田畑や牧草地の利用回復などが進められてきた。
 村によると、拠点内の住民登録者数は1日現在、30世帯82人。このうち、帰還意向を示しているのは4世帯8人。拠点外の住民は4世帯10人となっている。

■双葉6月、大熊6~7月 避難解除目標

 各町村の復興拠点では避難指示解除に向けた動きが進んでいる。双葉町は6月の解除、大熊町は6月末から7月上旬ごろの解除をそれぞれ目指して住民説明会などを進める。

■飯舘長泥の復興拠点外 企業誘致軸に順次解除

 飯舘村は東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域の長泥行政区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)外について、2023(令和5)年春に拠点内と一括で避難指示解除を目指すとしていた方針を転換し、企業立地など土地活用ができる条件の整った場所から順次、解除を検討していく意向を固めた。杉岡誠村長が6月19日、明らかにした。

 富岡、浪江の2町村は来年の避難指示解除を目標にしている。

東京電力福島第一原発事故による避難区域の変遷

避難生活

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴う福島県内外への避難者数は2022年2月現在、3万3365人と前年の2月から2338人減少した。最も避難者数が多かった2012(平成24)年5月の16万4865人の約20%となり、減少傾向が続いている。
 県がまとめた2022(令和4)年2月現在の避難者の内訳は、県外が2万6692人、県内が6668人、避難先不明者が5人。県外避難者は46都道府県におり、施設別で見ると2月8日現在で公営や仮設、民間賃貸などの住宅への避難者が1万2965人、親族や知人宅などに身を寄せている人が1万3570人、病院などは157人だった。県内の仮設住宅の入居者数は2月末現在、郡山市に3戸4人となった。
 住民の帰還や災害公営住宅の整備が進んだ点などから、避難者の減少につながっているとみられる。仮設住宅の撤去や自主避難者への住宅の無償提供の打ち切り、家賃補助制度の終了なども背景にある。
 県はアパートなどの借り上げ住宅や仮設住宅について、大熊、双葉両町からの避難者への無償提供を2023年3月末まで延長している。

避難者の推移

仮設住宅の戸数と入居者の推移

関連死、今なお増え続ける

 震災と原発事故に伴う避難の影響で体調を崩すなどして死亡し、「関連死」と認定された福島県内の死者は2022(令和4)年3月7日時点の福島県の集計で、2331人に上る。前年同期の2320人から11人増えており、震災と原発事故から11年を迎える現在も、長期避難による心労などが被災者を苦しめている。
 県内の関連死は県の集計上、2013(平成25)年12月に地震や津波による直接死を上回った。2022年3月時点で①直接死②関連死③遺体は見つかっていないが死亡届が出された人―を合わせた全死者数4162人の56%を占める。
 地震や津波による「直接死」の死者数は1605人で、全死者数に占める割合は38・6%。

直接死と関連死の割合

震災関連の自殺 計119人

 厚生労働省の集計によると、震災に関連する福島県内の自殺者は2022(令和4)年1月末までに119人に上る。震災の被害が甚大だった岩手県の55人、宮城県の62人のほぼ2倍に当たり、被災3県でも突出している。
 震災に関連する県内の自殺者が年間で最多だったのは2013(平成25)年の23人。2020年は3人、2021年は1人で、2022年は把握されていない。

中間貯蔵・環境再生

中間貯蔵施設への除染廃棄物輸送計画

健康 放射線管理

甲状腺検査 放射線被ばくとの関連分析

 原発事故の健康影響を調べる「県民健康調査」のうち甲状腺検査は、原発事故当時に18歳以下だった福島県内の全ての子ども約38万人を対象に、2011(平成23)年度に始まった。2014年度から2巡目、2016年度から3巡目、2018年度から4巡目、2020年度から5巡目と2年に1度の検査が行われている。25歳以上になった対象者は5年に1度の検査になる。
 県民健康調査検討委員会の下部組織に当たる甲状腺検査評価部会は2019年6月、2巡目の結果について、「現時点で甲状腺がんと放射性被ばくの関連は認められない」とする中間報告をまとめ、検討委も報告を了承した。
 評価部会は対象者の検査間隔や検査時の年齢などの要素も含めて、放射線被ばくと甲状腺がん発症の関連性について分析を進める。

 現在、甲状腺検査は5巡目が続いている。自らの意思で受検するかどうかを選ぶ「任意性」の確保と、検査の受けやすさをどう両立するかが課題となっている。
 2021年9月末現在のまとめで、1~5巡目の検査と、25歳時の節目検査を合わせると、がんの確定は226人、がんの疑いは47人となっている。5巡目の検査は新型コロナウイルス感染拡大の影響で遅れが出ている。
 甲状腺検査は学校の授業時間に行われる場合が多く、希望しない人まで受けてしまう可能性があるとの指摘がある。一方、学校が会場であることが検査の受けやすさにつながっているとの声もあり、県民健康調査検討委員会が検査の在り方を検討している。
 1巡目検査の開始から11年目を迎え、学校を卒業して親元を離れて暮らす人も増えている。こうした人が検査を受けやすい環境をどう構築するかも課題だ。
 同検討委の甲状腺検査評価部会は3巡目までの検査について、検査のがん発見率と被ばく線量の関連性を詳しく調べている。これまでは国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)が県内59市町村ごとに推定した甲状腺被ばく線量を基に評価してきたが、より精緻に評価するため、患者個人の推計被ばく線量(甲状腺等価線量)のデータを踏まえる方針だ。

県民健康調査甲状腺検査の流れ 

県民健康調査甲状腺検査の流れ (2021年6月30日現在)
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放射線の悩み減 妊産婦調査

 県民健康調査検討委員会によると、震災直後の電話相談で高い割合を占めていた「放射線の影響や心配に関する悩み」は年月が過ぎるごとに減少している。近年では「母親の心身の状態に関すること」「子育て関連のこと」の割合が上位となり、産後うつなどのメンタルヘルスに関連した悩みが増えている。
 「うつ傾向あり」とされた人の割合は、原発事故直後の2011年度の27・1%から年々減り、2018年度には18・4%に下がった。
 同委員会はうつ傾向は低下傾向にあるものの、放射線の影響に不安を持つ妊産婦がまだ一定数いることは今後も注視していく必要がある-とする報告書をまとめた。県に対しては、調査結果を踏まえた相談対応や支援を継続して行うことを提案している。

受診率は低下傾向 県民健康調査(詳細調査)の受診率の推移