東日本大震災アーカイブ

「警察魂語り継がれる」福島で県警察葬 同僚らの参列途切れず

警察勲功章を遺影にささげる儀仗隊

 東日本大震災で住民を避難誘導中に大津波に巻き込まれ、殉職した警察官4人と行方不明の警察官一人を顕彰する県警の公葬「県警察葬」は14日、福島市のたまのや黒岩斎苑で行われた。参列した関係者ら約800人が県民を守る使命を全うした警察官に敬意と感謝の意をささげた。

 殉職したのは双葉署の増子洋一警視=当時(41)、二階級特進=、南相馬署の佐藤政美警部=当時(57)、同=、同署の橋本浩忠警部=当時(42)、同=、双葉署の古張文夫警部=当時(53)、同=の4人。行方が分からないのは双葉署の佐藤雄太警部補(25)=二階級特進=。祭壇には5人の写真が飾られた。

 警察表彰規則で最高の栄誉とされる警察勲功章が片桐裕警察庁次長から五人の遺族に贈られた。続いて、県警察葬委員長の松本光弘県警本部長から警察功績章、瀬谷俊雄県警察官友の会連合会長から肖像画が贈呈された。

 松本本部長は五人の業績や人柄、遺族や家族の心情に触れながら、「崇高な警察魂と功績は警察官のかがみとして県警の歴史に刻まれ、語り継がれ、心にとどめられると固く信じる」と追悼の言葉を述べ、佐藤雄太警部補の早期発見を祈念した。片桐次長、佐藤雄平知事、佐藤憲保県議会議長、高瀬淳県公安委員長も弔辞で五人の勇気をたたえた。

 県警主催の葬儀は初めてで、今後、岩手、宮城県警も行う。

 福島民報社からは渡部世一社長が参列した。

 県警音楽隊の葬送行進曲が流れる中、県警察旗を先頭に、警察官5人の愛用品を入れた御霊(みたま)を手にした儀仗(ぎじょう)隊がゆっくりと進み、祭壇に御霊を安置した。

 純白のユリ、コチョウランに囲まれた5人の写真。警察勲功章や肖像画などが飾られた後、献花は松本本部長から遺族、来賓と続いた。警察OB、同僚らと列は途切れず、写真を見詰め、一度の敬礼に気持ちを込めていた。

 遺族はハンカチで涙を押さえ、松本本部長も白い手袋で目頭をふいた。献花は40分間続いた。参列者の思いが込められた一輪の白い菊は御霊の前で幾重にもなった。

 式後、松本本部長は「殉職された方々の勇気ある行動を心に刻み、遺志を受け継いで県民の安全・安心のため警察業務に精励したい」とコメントした。