東日本大震災アーカイブ

今を生きる 双葉の再起、小峰城と共に 郭内の仮設で生活 「何かの縁」思い短歌につづる

小峰城跡で再起を誓う松木さん

■白河に避難・郷土史家 松木清秀さん
 「これも何かの縁。困難に負けず頑張っていこうという気持ちになった」。双葉町から白河市郭内の県仮設住宅に避難している松木清秀さん(90)は近くにある国史跡小峰城跡を見詰めて再起を誓っている。
 松木さんは町史編さんにも携わった郷土史家。双葉町に住んでいた当時は公民館の歴史教室の講師を務め、小峰城跡を何度も訪れていた。
 東京電力福島第一原発事故発生後、妻・愛子さん(85)と神奈川県の親類宅に長く避難していた。10月中旬、長男が住む白河市に移った。仮設住宅の住民はほとんどが双葉町民でようやく心が落ち着いたという。神奈川県では病気がちだった愛子さんも「当初は不安だったけれど、ほっとした」と話す。
 松木さんは2日に1度は小峰城跡に足を運び、大きく崩落した石垣の様子などを見て回っている。趣味は短歌で「ああ小峰城」という詩を創作した。
 「小峰の城の郭内に百余に上る住宅は原発避難者のためと聞く」「城を枕の武士達が血しおを染めし石垣は地震のためにくずれ落つ」とつづった。
 「時間はかかるが、きっと小峰城は元通りになるはず」と松木さん。自分たち双葉町民の生活再建の日を城の再生に重ね合わせている。

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