東日本大震災アーカイブ

今を生きる ダルマ市必ず成功 いわきで21日 「今は町民の心守る」

伝統のダルマ市開催で町民の絆を強めようと張り切る佐々木さん(左)と福田さん

■双葉町消防団第二分団有志 夢ふたば人
 双葉町消防団第二分団員有志らでつくるグループ「夢ふたば人」は21日、町民が避難生活を送るいわき市の南台仮設住宅で伝統の「双葉ダルマ市」を開催する。会長の佐々木希久(まれひさ)さん(43)らメンバーは「古里を決して忘れず、古里の誇りを未来につないでいくため、ダルマ市を必ず成功させる」と準備に励んでいる。
 町民は東京電力福島第一原発事故で町全域が警戒区域となり、全町民約7000人が県内外で避難生活を余儀なくされている。このうち南台仮設住宅には約300人が暮らしている。
 「3月11日、あの一瞬で人生が変わり、仲間たちとも離れ離れになった。戻れるなら震災前に戻りたい」。昨年秋、そんな思いから、第二分団員で町商工会青年部員としてダルマ市に携わってきた福田一治さん(40)を中心に若手団員らが自然と集まり、今後を語り合うようになった。
 第二分団は町の中心部を担当し、団結力や火災現場での活動力は町消防団随一と評されていた。「現場で自分の命を預けられる仲間たちだった。日頃の訓練はもちろん、何かにつけて屯所に集まり語り合ったことで固い絆で結ばれた」と福田さんは振り返る。この結び付きが長い避難生活の中で「夢ふたば人」の結成につながった。
 ダルマ市は、露店や奉納神楽、ダルマみこし、巨大ダルマ引き合戦、ステージイベントなど震災前とできるだけ同じ内容で実施する。資金面では県のサポート事業の補助を受ける予定だが、大半は自前で賄う。
 「どこに住んでいても双葉町民が双葉町民であるために」と、ダルマ市の後はゴールデンウイークイベントや夏の盆踊りなど季節の行事を例年同様に開催する計画だ。
 佐々木さんと福田さんは「自分たちの町は自分たちで守ることを基本に消防団活動を続けてきた。今、守るべきは県内外に散り散りになった町民の心」と熱い思いを語っている。

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