東日本大震災アーカイブ

今を生きる 古里の農業 元気に 地元支援受け野菜作り 結婚...二人三脚で挑戦の日々

古里の相馬で野菜作りに挑む菊地さん夫妻

■相馬 菊地将兵さん26 陽子さん27
 相馬市出身の菊地将兵さん(26)=同市大坪字前迫=は東日本大震災後、古里に戻って農業に励んでいる。「自分たち若い世代が頑張って地域の農業を元気づけたい」。地元農家の支援を得て休耕地などを利用し、野菜作りに取り組む。
 昨年5月に帰郷した。市内の農家を手伝いながら独立を目指し、「家庭菜園レベル」の小さな土地で野菜作りを始めた。農業に真面目に向き合う姿に対し、地域で支援の輪が広がり、休耕地を借りられるようになった。
 今では石上、大坪地区の農地約2ヘクタールでブロッコリー、レタス、葉ネギなどを栽培。市内のイオン相馬店や南相馬市の四季彩、新地町の「あぐりや」など主に直売施設に出荷している。
 漫画家を目指し仙台市の専門学校を卒業後、21歳のころ、都内でホームレス支援のボランティア活動に携わった。提供していた食事を通じ「食」への関心が高まり、「いつか地元で農業をやりたい」と志を固めた。
 約4年間、群馬、三重など全国各地の農家で住み込みの研修を重ねた。就農資金をためるため、都内でホテルマンとして働いていた時、震災を迎えた。
 研修先で知り合った仲間や農家からは東京電力福島第一原発事故の影響で苦しむ本県での就農に否定的な声もあった。それでも、「自分が生まれ育った地域のために」と意を決し一歩を踏み出した。
 香川県の研修先で知り合い、交際していた高松市出身の陽子さん(27)を呼び寄せ、今年1月に結婚した。風評被害などの影響もあり、決して順風満帆な船出ではない。
 「野菜を育てながら自分たちも成長していきたい」―。二人三脚で挑戦の日々を過ごしている。

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