東日本大震災アーカイブ

今を生きる 被災者の希望 歌に 15日 初の単独ライブ

ライブに向けて練習に励む牛来さん

■浪江町出身 シンガー・ソングライター牛来美佳さん27

 「東京電力福島第一原発事故を絶対に風化させない」。浪江町出身のシンガー・ソングライター牛来美佳(ごらい・みか)さん(27)は被災者の思いを胸に歌い続ける。古里を奪われた悔しさ、怒り、悲しみ...。音楽活動は東日本大震災後、花開いた。15日には津波被災地の宮城県石巻市で初の単独ライブに臨む。
 歌は16歳で始めた。歌手への憧れはあったが、ステージに立つ機会は年に2、3度だった。しかし、原発事故で家族や友人がばらばらになり、歌への思いが強くなった。「私の歌でみんなをつなぐことができたら...」
 震災の3日後、郡山市の親戚宅に身を寄せた時、さまざまな思いがあふれ出した。言葉を紡ぎ合わせ、古里を思う歌「浪江町で生まれ育った。」ができた。震災前から制作中だった曲を加え、今年3月20日にCDを発売した。これが契機となり、インターネットなどでプロのギタリストらとのつながりができた。
 県内各地の音楽イベントなどへの出演依頼が増え、毎月声が掛かるようになった。今月は石巻市に続き、22日の広野町のイベント、26日の東京・新宿での単独ライブも控え、慌ただしさを増す。
 家庭に帰ると、長女で小学1年の凜音(りんおん)さん(7つ)のお母さん。昨年5月、浪江町から群馬県に移り、借り上げアパートに暮らす。「歌い続けることで娘に諦めない姿を示したい」。強い決意は歌詞にもにじむ。<僕たちは絶対 生き続ける 繋(つな)がり続ける>

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