東日本大震災アーカイブ

首相、復興予算を上積み方針 佐藤知事が要望

 安倍晋三首相は9日、佐藤雄平知事と首相官邸で会談し、民主党政権が「5年間で19兆円程度」とした東日本大震災の復興予算枠を、平成25年度予算編成で拡大する方針を明らかにした。東京電力福島第一原発事故の被災地である本県の復旧・復興は今後、本格化するが、予算の枯渇が避けられない状況となっていることに理解を示した。
 佐藤知事は安倍首相に対し、「今も15万人以上の県民が避難する中、復興には長期的で安定的な財源が必要」と述べ、復興予算枠の見直しを要望した。安倍首相は「しっかりと対応する」と答え、新年度当初予算編成で上積みする規模を検討する考えを示した。
 震災で損壊した道路、堤防など社会基盤の復旧費用、産業復興関連の事業費、復興交付金などを含む復興予算の総枠について、民主党政権は「集中復興期間に位置付けた5年間で、19兆円程度」としてきた。しかし、対象範囲を定めておらず、被災地と関連のない事業への流用分も含め既に18兆円が支出されているのが実態だ。
 同じ被災県の岩手、宮城両県などに比べ、本県は原発事故の避難区域の復旧・復興、除染、産業再生など課題が山積している。これまでの復興交付金(国費ベース)の総額で比較すると、本県への交付額が1737億円なのに対し、岩手県は4035億円、宮城県は7519億円に上る。県は予算の総枠拡大が実現しなければ、今後の復興事業の進捗(しんちょく)に重大な影響がでるとみて新政権に対応を求めた。