東日本大震災アーカイブ

「命を守れる男に」 天国の祖母、弟に誓う 南相馬出身自衛官の浜名亮さん

自衛官としての決意を新たにする浜名さん

 南相馬市鹿島区出身の自衛官浜名亮さん(22)は11日、訓練のため訪れた浪江町請戸地区で黙とうし、東日本大震災の津波に遭い亡くなった祖母ヨシさん=当時(77)=と弟東君=当時(13)=の冥福を祈った。「人の命を守ることのできる男になるよ」。天国に向かい、そうつぶやきながら。

 バレーボールに打ち込んでいた相馬高2年の3月、津波に掛け替えのない家族2人と鹿島区の自宅を奪われた。悲しみに打ちひしがれていた時、避難所で住民に食事を配る自衛官に出会った。人を励ますような笑顔が爽やかだった。頼もしい姿に心が奮い立った。「人を助ける仕事がしたい」と高校卒業後、陸上自衛隊に入隊した。
 家族に支えられ厳しい訓練に耐えてきた。父利行さん(53)、母和江さん(49)は震災後、南相馬市原町区に新居を構えた。電話で近況を話すと心が落ち着く。平成26年12月、高校1年から交際していた葉月さん(22)と結婚。昨年5月に長女純葉(いとは)ちゃんが生まれた。父親となり、家族が自分に注いでくれた愛情の大きさが身に染みた。「ばあちゃんに、ひ孫を見せたかったな...」との思いが募るという。
 現在は陸上自衛隊福島駐屯地(福島市)を拠点とする第四四普通科連隊に所属し、大砲の狙いを定める迫撃砲手を務めている。
 11日は災害時、住民の救援に向かう経路を確認する偵察訓練のため浪江を訪れた。故郷と同じ津波被災地に立った。「自衛官として人を助け、被災者として震災の経験を伝える」。優しかったばあちゃん、かわいかった弟が空の向こうでほほ笑んでくれた気がした。

カテゴリー:震災から5年