東日本大震災で県内の医療機関でスタッフや医薬品不足が深刻化している。いわき市立総合磐城共立病院では、多くの職員が被災し、日勤職員が半減。浜通りからの避難が続く会津地方の病院でも患者数が急増し、パンク状態だ。ガソリンの供給不足などの影響で医薬品の確保もままならない病院も多く、医療現場は厳しい対応を強いられている。
いわき市立総合磐城共立病院の日勤職員は通常約750人だが、ここ数日は約360人で対応せざるを得ない状況だ。被災による避難所暮らしの職員もおり、ガソリン不足で車を利用できない職員らは出勤できない。中には遠距離を徒歩で出勤する職員も多い。
医師も在籍者108人のうち勤務しているのは約60人。重症患者のヘリ移送に同乗して病院を離れたまま戻れないケースもあるという。
同病院には、薬の処方を求める多くの人たちが詰め掛けているが、医薬品も全般的に不足している。上遠野裕美総務課長は「スタッフ不足は日を追って厳しい。医薬品も幅広い種類で圧倒的に足りない」としている。
■防災相に苦悩訴える 南相馬市立総合病院で市長
南相馬市立総合病院には現在、市立小高病院から引き受けた患者を含む108人が入院している。
原発事故に伴う20〜30キロの屋内退避区域にあるため、医薬品や酸素、食料などの物資が届きにくい状況が続き、困窮を極めている。
桜井勝延市長は18日、同病院を訪れた松本龍防災担当相に、被災地の医療現場の苦悩を伝えた。
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