東日本大震災で被災した建築物を調べる応急危険度判定で、県は4日までに調査予定(1万2千件)の95%に当たる1万1403件の判定を終え、「危険」と「要注意」を合わせた件数は6381件で、判定した件数の56%に上った。郡山市は1497件、白河市は649件、須賀川市は696件となり、県中、県南地方に多い。県は余震により瓦や天井の落下、ブロック塀の倒壊など二次災害が生じる懸念があるとして注意を呼び掛けている。
浜通りでは、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示区域内の住宅について、現段階では判定できない状態となっている。このため、県は二次災害の危険性はさらに増えるとみている。
県が応急危険度判定を実施するのは初めて。要請を受けた25市町村を対象に、県が認定した応急危険度判定士が住宅や付属する店舗、塀などを調べている。余震で落下物が発生する可能性が高く、立ち入りが危険な場合は赤色の紙、立ち入りに注意が必要な場合は黄色の紙、現段階で危険が確認されなかった場合は緑色の紙を建築物に掲示している。
県内の4日午前10時現在の判定結果は【表】の通り。「危険」は2511件、「要注意」は3870件となった。
県中、県南地方で「危険」と判定されたのは郡山市630件、白河市233件、須賀川市321件、鏡石町207件、矢吹町228件など。3月11日の東日本大震災の発生時、郡山市や白河市など県中、県南地方では震度6強から6弱の揺れが観測された。福島地方気象台によると、震度6以上の揺れが発生すると住宅に被害が生じるケースが多いという。
一方、震度5前後だった県北地方や会津地方では、「危険」と判定された建築物は福島市が95件、会津坂下町が12件などとなっている。
応急危険度判定の結果は、立ち入り禁止などの強制力を伴わない。県は危険と判定された建築物に近づく場合、ヘルメットの着用など安全確保を求めている。
判定は、建築物の二次災害の危険性を確認することが目的で、倒壊した建築物などは対象外となる。
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