東日本大震災アーカイブ

夏の福島大会開催決定 開成山メーン7月13日開幕 県高野連中通り、会津7球場で

 県高野連は21日、郡山市の郡山ユラックス熱海で第1回理事会・顧問会を開き、第93回全国高校野球選手権福島大会を開催する方針を決めた。大会は7月13日に郡山市の開成山野球場をメーンに開幕し、27日まで開かれる予定。避難所などとして使用しているため、使用のめどが立たない福島市のあづま球場といわき市のいわきグリーンスタジアムなどを除く、中通りと会津地区の7球場で大会を運営する見込み。

■震災や放射線対応策を検討
 各校の代表者が出席した顧問会は、震災や放射線の影響を踏まえ、開会式の入場行進の時間短縮や全校応援自粛、宿泊を極力抑えるための試合スケジュールなどを検討した。この他、復興を願って多くの人に高校生の元気なプレーを見てもらおうと、入場の無料化や球場内での募金活動の実施なども話し合った。6月1日の運営委員会・理事会で具体的に協議する。

 宗像治理事長は日本高野連の特例措置として、転校後1年以内の公式戦出場や被災校の合同チームの結成が可能になったため、各校に対し、避難した野球部員への支援を求めた。

 席上、日本高野連が表彰する育成功労賞に30年以上にわたって、福島高専を率いた藤田善次氏(元高校教諭)を推薦することを決めた。

■サテライト校分散や震災影響 8校は単独チーム
 部員がサテライト校の高校に分散する小高工、双葉、浪江、原町をはじめ、震災の影響を受けたいわき海星、相馬、相馬東、新地の計8校は単独チームで夏の福島大会に出場する。顧問会後に開かれた県高野連相双支部10校といわき海星の代表者による会議で意向を示し、県高野連側に物品支援や練習場所の確保などを求めた。

 一方、部員9人以下の双葉翔陽、富岡、相馬農の3校は、部員をサテライト校の野球部員として出場させることを第1希望とした上で、3校の合同チーム結成も検討した。

■南会津が登録
 南会津は1年ぶりに県高野連に登録した。昨年度、選手が2人だったため、登録を見送っていた。今年度に新入生を含む6人が入部。他の部活動からの協力を受け、夏の福島大会に向けて活動できる態勢が整ったという。